同センターの報道資料によれば、今村は台湾総督府陸軍幕僚の下で、地形図の製作を担当していた。19世紀当時、地形の測量と撮影の技術は深く関連しており、今村も台湾での任期中に膨大な量の写真を撮影した。同センターでは今村の撮影による写真130枚が収められたアルバムを収蔵している。
展示は「19世紀末の台北城郭内外」や「多様な信仰─台湾の民間信仰、キリスト教、日本の仏教」、「1898年の戊辰大水害」など六つのテーマで構成される。第4代台湾総督の児玉源太郎と民政長官の後藤新平の赴任を歓迎するために98(明治31)年に行われた「官民大懇親会」や、当時の軍官らを撮影した肖像写真も公開されている。
「19世紀末の台北城郭内外」では、洋館が立ち並ぶ大稲埕ふ頭や、堀があった時代の台北府城南門、1907(明治40)年に取り壊された台北武廟など、町の様子を伝える写真が展示されている。
(王宝児/編集:田中宏樹)