同分署によれば、南部・台南の取締チームが、国際的な薬物犯罪組織が薬物を台湾に密輸しようとしているとの情報をつかんだ。長期的な監視を行ったところ、台湾籍の漁船が関与している疑いが浮上し、その後の捜査で船長は50代の台湾人の男であることが分かった。
漁船は船長とインドネシア人船員3人を乗せて2月14日に南部の漁港を出港。南シナ海の東沙(プラタス)諸島周辺の海域に8~9日間ほど停泊していた。出港してからの時間が長く、停泊場所も不審であったことから、この期間に海外の犯罪集団と接触して大麻を受け取った可能性がある。
海巡署の取締チームは同28日に臨検を実施。漁船に漁獲物がなかったため捜査を行うと、船内を改造した倉庫から防水袋に入った大麻を発見した。その後の調べで、漁船に隠されていたのは大麻と大麻の種合わせて402.8キロだったことが分かった。
船長と船員3人は取り調べの後、毒品危害防制条例違反の容疑で台湾台南地方検察署(地検)に送検された。同署は、船長は台湾への輸送を成功させた場合、約500万台湾元(約2400万円)の報酬を受け取れたとしている。
(劉建邦/編集:田中宏樹)