イベントは「台湾で、日本で、物語を書きつづけること」と題し、台湾文化センターと紀伊國屋書店が共同で企画した。楊さんは「百合」と「歴史」を融合させた作品を執筆している。
角田さんは百合小説について、日本では女性同士の恋愛と定義されがちで、読者層が制限されやすいと説明。楊さんは、台湾の読者にとって百合小説は比較的新しい概念で、「レズビアン小説」との違いをよくわかっていない人も多いと指摘。そのため、台湾では百合小説にはジャンルを超えた、他の要素を加えた創作を行える余白があるとの見方を示した。
楊さんの新刊にあるグルメの描写に話題が及ぶと、楊さんは自身の作品について、夜中に読むのは良くないと多くの人から言われていると笑った。
「四維街一号」は中部・台中市の四維街にある日本式家屋を舞台に、4人の女子大学院生と女性の大家の共同生活を描いた。台湾のグルメやレトロ建築、百年前の台湾料理レシピなどの描写も盛り込まれている。
(戴雅真/編集:荘麗玲)