(台北中央社)中国に渡航した台湾人が、現地で行方不明になったり、事情聴取や人身の自由の制限を受けたりした事例が、昨年1月1日から今年8月31日までに188件発生していたことが分かった。台湾で対中政策を担当する大陸委員会が18日、交流サイト(SNS)で明らかにした。
1カ月当たり9件起きている計算になる。

内訳は行方不明が50件、事情聴取が19件、人身の自由の制限が119件。

同委は事例の一つとして、4泊5日の個人旅行を終え台湾に戻ろうと空港で搭乗手続きをした際、約1時間の事情聴取を受けた台湾人の遭遇を紹介した。「身分証明書類に問題がある」と言われ、理由を告げられないまま個室に連れこまれ、携帯電話のロック解除を命じられて聴取を受けたが、「対象を間違えたようだ」とささやく声が聞こえた後、退室を認められたという。

また18日の報道資料では、宗教関係者を含め、一般市民が中国を訪れ、さまざまな活動をする際には、警戒を強め、関連のリスクや身の安全に注意するよう呼びかけた。また、中国が昨年6月、台湾独立の動きを処罰する指針を発表した直後、同委が中国大陸や香港、マカオへの渡航警戒レベルを4段階で上から2番目の「オレンジ」に引き上げたことに言及。渡航の必要がある場合、関連の法律に留意し、リスク評価をすることを求めた。

関連の渡航警戒レベルは「レッド」(渡航中止勧告)、「オレンジ」(不要不急の渡航中止勧告)、「イエロー」(安全への注意と渡航の再検討要請)、「グレー」(注意要請)に分かれている。

(李雅雯/編集:荘麗玲)
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