野生の馬が優雅に大草原を走る姿は感動を覚える。馬は自然の中がとてもよく似合う。
アメリカのマサチューセッツ州には、回転木馬など様々なタイプのおもちゃの馬が集められた奇妙な場所がある。
「ポニーヘンジ」と呼ばれるその場所は、いわば木馬の墓場だ。
ある夫婦が所有するその草地に9年前から姿を現したロッキングホースたちは、現在ユニークなアート・インスタレーションとして、ちょっとした注目を集めているようだ。
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Ponyhenge: The Rocking Horse Graveyard
【2010年から始まったポニーヘンジの歴史】
マサチューセッツ州リンカーンのとある道路沿いの草地には、ロッキングホースが集められた場所、「ポニーヘンジ」が存在する。
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草地の所有者で、隣の敷地に住んでいるジェームズさんと妻のエリザベスさんによると、9年前にハロウィーンのショーで使用されたお化け屋敷(現在は閉鎖)の中に、首無し騎手が乗った馬があったそうだ。
ショーの後、処分に困ったのか、それらの馬のおもちゃは草地に廃棄された。以降、別の馬のおもちゃがどこかから持ち込まれたり、ミステリーサークルのように馬の位置が知らない間に動かされたり、馬に装飾がなされたりしているそうだが、誰の仕業かは不明だという。
【木馬の墓場がアート・インスタレーションに】
リンカーン在住で作家兼歴史家のメーガン・ケイト・ネルソンさんは、今ではロードサイドアトラクションとして注目を集めているこのポニーヘンジを愛する1人だ。
2010年からの過去9年間、馬の数は増えていますが、私が見た最初は1体しかなかったのです。それはそれで独自のロマンチックな美学のように思えました。
ネルソンさんの言うように、当初草地には1体か2体の馬が廃棄されていただけだった。だが次第に数が増えていき、一時期は50ほど並べられたが、今は30ほどが集められている。
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現在、サークル上に配置されてある馬をよく見てみると、プラスチック製もあれば木製もある。また、モダンなデザインのロッキングホースや、その昔に子供が屋根裏部屋で使っていたような、懐かしさを思わず覚えるアンティークスタイルのものなども並べられている。
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静かに佇む馬たちの姿は、どことなく物悲しさを感じてしまうような光景でもある。だが、常に誰かがこの馬たちを気にかけているのは確かなようだ。
過去に競馬レース「Kentucky Derby(ケンタッキー・ダービー)」があった日には、ポニーヘンジの馬たちは、まるでレース場で発砲の後走り始めるのを待っているかのように、整然と1列に並べられてあったという。
また厳しい冬の時期、馬たちは完全に雪の下に埋まってしまうが、クリスマスの時期には、誰かが馬たちをデコレーション用のライトで覆い、木馬の墓場は一気に賑やかになるとのことだ。
ジェームズさんとエリザベスさんは、野原の草を刈り、知らない間に増える馬の選り抜きをして、ボロボロになった馬を数年ことに撤去する作業をしているが、馬の数や配置については一切わからないと話している。
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【喜びをもたらすためだけに存在する場所】
ポニーヘンジは、イギリスの世界遺産ストーンヘンジほどもちろん有名ではないが、明らかにユニークで、魅力的なアート・インスタレーションだとネルソンさんは言う。
ポニーヘンジは、喜びをもたらすためだけに存在する場所です。アメリカ文化には、そうした場所はあまりにも少なすぎるといっていいでしょう。ここを素通りする人もいれば、立ち止まって時間をかけて写真撮影する人もいます。
誰かが、匿名で馬をここに置いても、私たちは誰であるか知りたいとは思いません。そういう場所もあっていいのではないかと思います。
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ポニーヘンジを訪れる人は、ここに廃棄された木馬を見て様々な想像を働かせることだろう。しかしそれもまた、悲しい木馬の墓場というだけではないポニーヘンジの魅力のひとつになっているようだ。
なお、この草地は私有地のため、見学者には道路脇から眺めることが勧められている。
References:Roadtrippersなど / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:ミステリアスな木馬たちの墓場「ポニーヘンジ」(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52278143.html