風力発電会社がワシ150羽を殺害したとして有罪に。罰金10億円
 アメリカの国鳥である、ハクトウワシイヌワシは、一時期個体数が激減していたが、保護活動が実り、今は個体数が安定してきている。

 だが現在でも保護活動が行われており、連邦の渡り鳥保護条約法のもと、殺したり傷つけたりすることは米国では違法だ。

 今回、米国内8州にある風力発電会社が、過去10年に渡り、ワシが発電施設に衝突して150羽が死んだとしたとして、州連邦裁判所から有罪判決を受け、賠償金と罰金を合わせ810万ドル(約10億円)の支払いを命じられた。

 同会社は、当局への許可を得ず風力タービン(風力原動機)を建設したとされている。

150羽のワシの負傷・殺害で風力会社に有罪判決 4月5日、ワイオミング州連邦裁判所は、風力発電会社「ESI」に対し、渡り鳥保護条約法に違反し、3件の罪状認否を認めたとして有罪判決を言い渡した。  ESIは、ワイオミング、ニューメキシコ、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、イリノイ、ミシガン、ノースダコタの8州に風力発電施設を所有する会社だ。

 通常、風力会社は風力タービンの設置において必要な許可申請を行い、渡り鳥の死を回避するための措置を講じなければならない。ワシを含む野鳥は、連邦野生生物当局により保護されているからだ。

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 しかし、同社はそのような許可を求めず、当局の警告を無視してニューメキシコ州とワイオミング州に風力発電所を建設した。
10年以上の間、ESIは(野生生物の)法律に違反しており、必要な許可を取得したり、求めたりすることなくワシの命を奪ってきました。
 このように話すのは、司法省環境天然資源局のトッド・キム司法次官補だ。

 連邦検察当局からの発表によると、ESIの風力タービンのブレードによって、過去10年間で少なくとも150羽のハクトウワシおよびイヌワシが負傷または殺害されたという。いわゆるバードストライクた。

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3500万ドルの賠償金と罰金の支払いを命じられたESI 今回の裁判で有罪となったESIは、5年間の試用期間中、野鳥の負傷を最小限に抑えることを目的とした措置実施のための2700万ドル(33億5600万円)の予算を設けることに同意。

 また、罰金を含む賠償金として810万ドル(約10億円)を支払うことに同意した。

 措置の中には、ワシが近くを飛んでいる可能性が高い時には、タービンの作動を止めることも含まれるようだ。

 しかし、これらの措置にもかかわらず、野生生物当局は一部のワシがまだ死ぬ可能性があることを懸念している。それについては、ある意味避けられないことだと言うのは、ESIの親会社だ。

 野生生物への被害を減らすことに取り組んでいると主張する親会社「NextEraEnergy」は、今回の子会社の判決について声明文の中でこのように反論している。
建造物を建てたり、乗り物を運転したり、飛行機を飛ばしたりすると、偶発的なワシやその他の鳥の衝突が発生する可能性があります。鳥と風力タービンの衝突は避けられない事故であり、犯罪とされるべきではありません。


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 なお、ハクトウワシはアメリカの国鳥で、有害な農薬やその他の問題による広範囲にわたる間引きから劇的に回復した後、2007年に絶滅危惧種法に基づく保護から除外された。

 イヌワシも同様で、現時点では個体数はやや安定しているが、風力発電所や車両との衝突、違法な銃撃、鉛による中毒などの圧力を受け続けているという。

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 ちなみに日本でも風力発電施設でも、国の天然記念物オジロワシやオオワシなどが衝突する事故が北海道内などで相次いで多発している。

 環境庁の調査によると、2004年から2021年3月までに計73羽(うち2羽は青森県)が死んだりけがをしたりしたことがわかった。

written by Scarlet / edited by parumo

追記:(2022/04/10)本文を一部訂正して再送します。

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