ウクライナの戦地最前線から兵士たちがドローンで犬と猫を避難させることに成功
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 2026年4月6日、ウクライナの動物保護団体UAnimals[https://uanimals.org/]は、ウクライナで行われた犬と猫の救出作戦の映像を公開した。

 ウクライナ陸軍(第14独立機械化旅団)の兵士たちが、ドローンを使って猫と犬を前線から避難させることに成功したという。

 先の見えない戦争が続く中、軍用ドローンが最前線に取り残された命を救った事実は、国内外で大きな感動を呼んだ。

 約12kmという距離をドローンで運ばれた犬と猫の2匹は、現在、安全な場所で元気に過ごしているそうだ。 

ハルキウの最前線からドローンで救助された犬と猫

 この救出作戦が実行に移されたのは、ウクライナ北東部にあるハルキウ(ハリコフ)州クピャンスク市方面とされている。

 このあたりはロシアとウクライナがぶつかる最前線であり、両国が主導権の奪い合いに血道を上げている激戦地でもある。

 一時はロシア側が優勢になったものの、2025年後半からウクライナが押し返し、年末には市の大半を奪還。2026年に入ってからは膠着状態が続いている。

 一日ごとに、数百m単位で前線が移動するような状況で、市街地全域が戦場と化す中、ウクライナ軍は前線の維持に全力を尽くしていた。

 この最前線を守っているのが、ウクライナ陸軍の第14独立機械化旅団の兵士たちである。前線にいる彼らのもとへは、ドローンを使って食料などの物資が補給されていた。

 物資を下ろしたドローンは、手ぶらで後方へ戻ることになる。今回、動物たちの救出に使われたのは、この「帰りの便」のドローンだった。

 前線にいる兵士たちは、ドローンから物資を受け取った後、犬と猫を1匹ずつ、袋に入れてドローンに縛り付けた。

 そしてドローンは大胆にも、約12km離れた後方の安全な場所まで、動物たちを「空輸」したのである。

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 UAnimalsは、今回の作戦について次のように述べている。 

危険だったかって? もちろん。でも、そこに放置する方がもっと危険だったし、他に助け出す方法はなかったんです

 公開された映像には、ドローンから下ろされた袋に兵士たちが駆け寄って、犬と猫を救い出す様子が映し出されている。

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猫は負傷した兵士の飼い猫だった

 実はこのハチワレ猫の方は、オレグという名の兵士が世話をしていたペットで、「バルシク」という名前だという。

 オレグさんは戦闘で負傷し、緊急搬送されて現在入院中だという。彼が搬送された後、バルシクは前線に取り残されてしまった。

 兵士たちは仲間のために、彼の愛猫を救出することにしたのだが、そこにいた犬を置き去りにはできず、いっしょに搬送したのだそう。

 映像には、兵士たちが優しくバルシクたちに語りかける声も入っている。

  • ドローンに乗るなんて初めてだったよな
  • うちの子にしたいな。もうゴロゴロ言ってるよ
  • (犬と猫が)もう仲良くなったみたいだね
  • 今、餌をあげるよ。いい子だね

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これまでにもあった動物たちの救出作戦

 ウクライナ軍が、ペットや野生動物を救出する作戦を実行したのは、実は今回が初めてではない。

 2025年9月には、今回同じハルキウ州の最前線から、兵士たちのマスコットとして可愛がられていた猫「プラポル」が、運搬用ロボットによって避難させられた。

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 また、ウクライナ兵オレクサンドル・リャシュクさんは、小隊の仲間と買い物に行った先で、店先に捨てられていた2匹の子猫を見つけて保護した。

 彼はそのうちの1匹「シャイバ」を引き取ったが、彼は今や、Instagramで人気のアイドルキャットとなっている。

シャイバのInstagram[https://www.instagram.com/shaybaboy/]にはこう書かれている。

ウクライナの皆さん、困難な時でも、私たちはあなた方に笑顔をお届けします

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 ウクライナの前線にある地域では、飼い主が死亡したり、避難を余儀なくされたりしたため、今も多くのペットが取り残されているという。

 前線で戦う兵士たちが、そうした動物に餌を与えて面倒を見たり、引き取ったりするケースも見られるそうだ。

 シャイバの飼い主となったオレクサンドルさんは、次のように語っている。

私たちはそうやって「愛」を見つけることができるんです。誰かがシャイバを必要としなくなって路上に捨てたけれど、誰か(自分)が彼を拾って愛を見つけたんですよ

 また、ウクライナ軍の兵士たちは、ドローンに爆弾の代わりにソーセージを搭載し、地上にいる犬に与えたりもしているそうだ。

不吉な名前に改名を要求する声も

 ケガをしたオレグさんの愛猫バルシクと、「ザヒブリク」と名付けられた犬は、ふたりとも元気で食欲もあり、すでに新しい環境にも慣れてきているとのこと。

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 だが「ザヒブリク」はウクライナ語で「戦死者」「故人」を意味する言葉であり、どんな経緯があってこの名前になったかは不明だが、ネット上では不評のようだ。

 今回のニュースを知ったウクライナの人たちからは、この作戦に対する賞賛と同時に、犬の名前に関する意見が殺到している。

  • あなたたちは本当に素晴らしい!
  • すべての命を守ってくれてありがとう。神のご加護がありますように!
  • ウクライナの兵士たちは、いつも私を驚かせ、心を温かくしてくれる。
  • 戦うウクライナの人々による人道的な行動は、これまでもずっと感動的で、尊敬に値するものだ。

  • 何か月にもわたるロシアの砲撃の中でも、ウクライナの兵士たちは人間性を失っていないんだね。
  • ウクライナの兵士に敬意を。彼らはすべてを救っている。私たちを、この土地を、あらゆる命を。涙が出るほど感謝しています。
  • これは、私たちの守り手たちの信じられないほど高い精神性と人間性を示している。どうか無事に生きて帰ってきてください。
  • これはもう、まるで別次元の話だね。自分の身を守るためにペットを捨てる人もいるのに、ただ彼らのもとに迷い込んできただけの動物の避難に、忙しいはずの兵士たちが手間をかけている。
  • あなたたちは最高だ、ユーモアも最高、猫もかっこいいし、犬もなかなかいい。ウクライナのためにありがとう。どうか無事で、生き延びてほしい。

  • でもなんで「ザヒブリク」なの? こんなにカッコいいわんちゃんなのに。私なら喜んで引き取るわ。
  • この犬にはちゃんとした名前をつけてあげてほしい。英雄だよ! 戦死者なんて名前はやめて…
  • 信じられない、こんな名前をつけたのは誰?
    • それにはちょっとした事情があるんだ…(第14独立機械化旅団コメ)
  • どうしてこんな嫌な名前をつけたの?どうしてザヒブリクにしたの? 「プリモージニク(勝者)のほうがいいよ
    • 名前の変更を検討中です(第14独立機械化旅団コメ)

 バルシクはオレグさんが回復し次第、彼のもとに帰る予定とのこと。ザヒブリクの方は、このまま部隊のもとに留まるらしい。

 先の見えないウクライナの戦場で、軍用のドローンがこんな使われ方をしているとは。極限状態でこそ、こんなやさしさがより輝くのかもしれないな。

[動画を見る]

References: Cat and dog become friends after they’re rescued from warzone by a drone[https://metro.co.uk/2026/04/09/cat-and-dog-become-friends-after-theyre-rescued-from-warzone-by-a-drone-27908638/] / Барсік і Загиблик: у волинській бригаді показали евакуйованих дроном тварин[https://suspilne.media/amp/lutsk/1288225-barsik-i-zagiblik-u-volinskij-brigadi-pokazali-evakujovanih-dronom-tvarin/]

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