今月4日、大阪市生野区で空き家が突然倒壊しました。瓦礫が道路を塞ぎ、周辺住民からは不安の声が聞かれますが、まだ撤去されていません(10月7日現在)。

市は所有者への連絡を試みるなど対応を進めていて、できるだけ早く対処したいとしています。

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全国的に増え続ける空き家。今回のように倒壊した場合、対応を阻む5つの壁があると専門家は話します。

今後、有効な手立てはないのか?空き家問題に詳しい吉山晋市弁護士に聞きました。

「うちに直撃する」周辺住民は不安…通学路にも空き家が「いつ崩れるか分からない」

【危険な空き家】突然『倒壊』も撤去進まず“向かいの家に直撃”のおそれ…行政が手を出せない事情とは?周辺住民が自己負担で対応するケースも?大阪・生野区
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大阪市生野区で起こった空き家の倒壊。周囲には住宅が密集していて、近くに住む人は不安を抱えています。

(向かいの住人)
「3階に納屋みたいなのがあって、これが落ちてきたらうちに直撃する」
「家だけは傷まないようにしてほしい。まだローンも残っている」

生野区は大阪市内でも特に空き家が多いエリアで、JR桃谷駅の近くにある空き家は、近隣の学校の通学路に面し、学校が対応に苦慮していると言います。

(プール学院 安福朗理事長)
「いつ崩れるか分からない。学校としては大変です。早く解決してくれたら」

対応阻む壁(1)「道路が私道」 瓦礫も個人の財産である

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空き家問題に詳しい吉山弁護士によると、崩壊した空き家の対応を阻む5つの壁があると言います。

1つ目は、道路が私道であること。私道には所有者の権利関係が発生し、瓦礫も個人の財産であるため行政が無断でタッチできないということです。

対応阻む壁(2)「所有者が不明」 今回は見つかったため対応検討へ

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2つ目は、所有者が不明であること。今回の生野区のケースでは、これまで所有者が見つからず市が確認していましたが、7日に見つかりました。

これからその所有者と連絡を取るため、対応にはまだ時間がかかりそうです。

対応阻む壁(3)「手続き」 行政による『略式代執行』には時間がかかる

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空き家対策特別措置法*では、所有者に対し改善の指導をすること、所有者が分からなくても行政が「略式代執行」できる(かかった費用は自治体負担の場合も)ことなどが定められています。

こうした手続きに時間がかかるというのが、3つ目の壁です。

*2015年施行・2023 年改正

対応阻む壁(4)「空き家の状態」 家→瓦礫になると法律適用が困難に?

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そして、4つ目は「家」か「瓦礫」かの判断です。

吉山弁護士によると、「建物」の崩壊が進み「瓦礫」になると空き家法の適用が難しくなる可能性があると言います。

さらに崩壊が進んだ場合、裁判所に「所有者不明土地・建物管理命令」を申し立てる必要がありますが、管理人選任の手続きだけで約2~3か月を要するということです。

対応阻む壁(5)「周辺住民の自己負担」 危険を感じているのにお金まで?

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5つ目は、周辺住民の自己負担です。

吉山弁護士によると、危機に直面した周辺住民が対応する場合「所有者不明土地管理人」の報酬などをあらかじめ用意して裁判所に預ける必要があると言います。

所有者が見つかれば請求できますが、所有者が見つからない物件も増えているのです。

大阪市内で特に空き家が多いのは「西成区」「生野区」

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一方、全国の空き家数は過去最多を記録しています。

2023年、総住宅数のうち13.8%(900万戸)が空き家となっていて、この30年間で倍増しているということです(総務省)。

大阪市内の空き家率は16.1%で、中でも1位は西成区(25.9%)、2位は生野区(22.8%)となっていて、空き家数でもこの2区が上位を占めています(2023年大阪市調査)。

<大阪市の空き家数>
▼1位 西成区 2万2870戸 2018年比+13.8%
▼2位 生野区 2万890戸  2018年比+28.9%

この2つの区の特徴は…

所有者の死亡などで空き家化しやすい「長屋」

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共通しているのは、「長屋」が多いということ。

大阪市内の長屋の数を見ると、1位は生野区(4590戸)、2位は西成区(3800戸)となっています。

集合住宅と比べて長屋は住人が入れ替わりにくく、所有者が高齢化・死亡した際に空き家化しやすい傾向があるようです。

今回のケースでは、市はこの建物を当初「長屋構造」と見ていたため、人が住んでいなかったものの空き家とは認識しておらず、対応に遅れが生じたという事情があるといいます。

「未登記建物」全国に1000万超も?

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長屋をはじめ、古い住宅で問題になるのが、未登記のケース。

法務省(2026年)の推計によると、建築時から登記がされていない建物や、名義人の死亡後に相続登記されず放置されている建物など、全国に1000万を超える未登記の建物があるということです。

2024年4月から「相続登記」が義務化 相続を知った日から原則3年以内

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2024年4月から、未登記を減らす制度「相続登記義務化」がスタート。

相続を知った日から原則3年以内に相続登記申請を行うことが義務付けられました。怠れば10万円以下の過料が課されます。

吉山弁護士によると、手続きの簡略化やよりスピーディーに対応できる制度設計を行うことが不可欠で、未登記のまま放置されないよう関係者で事前に話し合っておくことが重要だということです。

(2026年10月7日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『まえはるプレゼン』より)

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