加藤忠幸●ビームスのオリジナルブランド「SSZ」のディレクターを務める傍ら、湘南の加藤農園で野菜作りを行う。趣味はスケートとサーフィン。
▶︎写真をすべて見る
「FOREVER♡990」とは……スニーカーの大定番、ニューバランスの990。今回は、ビームスで「SSZ(エス エス ズィー)」のディレクターを務めながら、サーファーでありスケーターでもある加藤忠幸さんにフォーカス。
SSZは、サーフィンとスケートを通じ、いま自分たちが着たい服、自分たちのスタイルを音楽やアート、メッセージとともに発信するビームスのオリジナルレーベル。加藤さんにとっても、サーフィンとスケートはライフスタイルの多くを占める特別な存在で、その愛情と知識は業界随一だ。「僕は長年スケートとサーフィンをしているのでヴァンズを履くことがほとんど。ですので、パンツのボリュームでどのヴァンズを合わせるかみたいなことばかり考えていました」。
そんな加藤さんが990を愛用するきっかけは、2019年に発売されたエンジニアド ガーメンツとのコラボレーションだ。「ガーメンツとのコラボは、複数の素材を同系色で組み合わせるという繊細な試みに強く惹かれました。履きこんでいくうちに表情が変わっていく過程が、単一素材のシューズとはまた違う趣があるんです」。スムースレザー、スエード、ヌバック、パイソンとクロコダイルの型押しという5種類のレザーをアッパーに左右非対称に配置したこのスニーカーは、グレー、ネイビー、ブラックの3色で発売。990の中でも異色な存在として、ニューバランスファンをざわつかせた。
「ニューバランスは新参者なのでそんなに詳しくないのですが(笑)、990は何度もアップデートを繰り返して現在の形になっていますよね。
今年2月、自らがディレクションを務めるSSZとスタイリストの長谷川昭雄氏とコラボレーションした「990v5」を発表。その経緯を聞いてみると……「SSZでは3年ぐらい昭雄くんとコラボさせてもらっていて、そのラストを飾るアイテムとしてこの990v5をリリースしました。デザイン面は昭雄くんが主導で行っていて、『1300』に近いカラーリングが特徴です。メッシュに施された、グレーのようなスチールブルーが魅力的ですよね」。
ニューバランスを履くきっかけは、長谷川昭雄氏の影響を強く受けているという。
いまでは、機能面でもニューバランスの良さを感じているという。
最後に、加藤さん流の着こなしを見てみよう。「ニューバランスはベーシックなデザイン&カラーリングのモデルが多いので、キレイめなスラックス、軍パン、スウェットパンツ、などあらゆるボトムスとコーディネイトできます。今日はパジャマパンツと、ルーズフィットのシャツで合わせてみました」。
「ヴァンズだとボリュームが足りなくて、太めのボトムスに合わないこともありますが、ニューバランスならそんな心配はありません。だから、ついついヘビロテしちゃいますね(笑)。これからのシーズンはショーツにも合わせて履く予定です」。◇ 今では加藤さんのワードローブに欠かせない存在となった990。サーファーやスケーターをも魅了するのは、常にアップデートをし続ける姿勢や普遍性の高さにあるのだろう。
990との意外な接点を教えてくれた。
ユーザーから支持されている部分をある程度残しながら、微調整をして製品を進化させるというスタンスが日本の服作りと似ていて、個人的にも共感が持てます。他ブランドでは、モデル名は残しても、モデルチェンジをすると、まったく異なる仕様へと変更されてしまうことも珍しくないので」。--{}--
「昔大事にしていたニューバランスを履こうと、数年ぶりに箱を開けたらソールがボロボロに砕けていたことがあって。それ以来、いいモデルが出てもほとんど履いてこなかった。だけど、昭雄くんに出会ってからは、モノを大切にすることは、日々履き込むという行為で示すことだと気が付いて。そこから、ゴアテックスのホカ オネオネやアメリカ製のニューバランスをガンガン履くようになりました。だから、僕が影響を受けた人と特別なニューバランスを作りたいと思うのは、ごくごく自然なことだったんです」。
「990をはじめとしたニューバランスのスニーカーを履いて思ったのは、安定性とクッション性が素晴らしいこと。長時間立っていても歩いていても、疲れないところが本当にいい。サンダルを一日履いた日なんかは、歩くたびに変な力の入り方がするからか、就寝時の足の張りが半端ないですから(笑)」。
編集部おすすめ