若々しいと言われれば悪い気はしないが、その一方で、もしかして年相応の貫禄や風格が足りていないのかも、とも思う。
ならば、大人カジュアルをこなすうえで、軽率な「若作り」に見られない、“重し”とも呼ぶべき重厚感あるアイテムを取り入れて、素敵に年を重ねていこうではないか。
重し①スーパーブランドの小物
有無を言わさず気分を高めてくれるのは、世界に冠たるスーパーブランドの小物。気付かれたい気持ちをよそに“これ見よがし”でなく装うのが粋だ。
「エルメス」のHベルト
威厳のあるエルメスの“Hバックル”だが、枠だけでHを象った「トゥナイト」を選べば、重し効果は大。マットブラックの新作を黒ベルトと組み合わせて、腰元から奥ゆかしさを醸して。
重し②名門の逸品
斯界の最高峰を選ぶのは、大人の醍醐味だ。ならではの素材感、シェイプ、仕立ての良さなどから醸される貫禄を、そのまま装いに頂戴しよう。
「カルーゾ」のジャケット
1958年から続くイタリアのファクトリーによる定番ジャケット「アイーダ」。最低限の副素材を用いて、薄手のリネンウールを美シルエットに導く仕立て。
「シャルベ」のシャツ
世界最古のシャツ店とも言われるフランス老舗のドレスシャツ。きめ細かなコットンポプリンの素材感と丁寧な縫製、そしてシルエットが、骨太なパンツに色気をもたらしてくれる。
「ジョン ロブ」の靴
1866年にロンドンで生まれ、その後パリで育った超がつく名門。最新タッセルローファー「カリントン」は、グッドイヤーウェルト製法らしからぬ流麗なシェイプで、チノ姿も上品に。
重し③本格機械式時計
腕元に、本格的な機械式時計が燦然と輝けば、どんなにくだけたカジュアルも、たちまちランクアップ。
ハリー・ウィンストンの腕時計「HW エメラルド・オートマティック 33mm」
ジュエラーとしてのみならず、ウォッチメーカーとしても一流のブランドが贈る独創的な1本。創始者が愛したダイヤモンドのフォルム、エメラルドカットを模したケースは美しい存在感を放つ。
※本文中における素材の略称は以下のとおり。K18=18金
谷田政史(CaNN)=写真 菊池陽之介、松平浩市=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク 増田海治郎、髙村将司、いくら直幸、増山直樹、菊地 亮=文 長谷川茂雄、今野 壘、大関祐詞=編集・文