夏の風物詩ともいえる開襟シャツとストローハット。それらを装う楽しみは何なのか?
そこで開襟シャツにこだわりを持つTOKYO発のブランド、デラックスのディレクターHUEさんに話を聞いてみた。
「去年の夏がホントに暑くて。そのときに開襟シャツは無敵だなって感じたんです」。初夏の昼下がり、HUEさんはこれからのワードローブについてそんなふうに話していた。
「Tシャツって肌にくっつくけど、開襟シャツは風が通るから涼しいんです」。HUEさんの開襟シャツの原体験は中学生の頃。音楽やスケートボードにのめり込む時分に買った、一枚のアロハシャツだった。
「それ以降も’50sを意識したボウリングシャツを着たり、ロバート・デ・ニーロやマット・ディロンに憧れたりと、ルードなイメージに惹かれていました」。
開襟シャツはワルいヤツのユニフォーム。そんな認識で愛用していくも、徐々に違った側面も見えてきた。
「実際にハワイに行ってみたらアロハシャツは正装で、いい大人がキレイに着ているんですよ。ストローハットを合わせて。そこで見方がだいぶ変わりました。
でも、例えばキューバシャツならクラシックカーに乗ってストローハットを被って、葉巻を吸うようなライフスタイルを送る男に似合うと思うし、それはウォール街にいるような人ではないですよね」。
大人の格式と、不良性。開襟シャツにはそれらが同居しており、そこが面白さなのだ。
ちなみに、HUEさんがおすすめする開襟シャツの選びのポイントは、身幅が広く少し肩が落ちているタイプ。ただ、着丈はレギュラー。
「少しオーバーサイズなほうが今っぽいけれど、着丈が長いとだらしなく見えてしまいます」。
HUE●デラックスのディレクター。自身が今夏ヘビーローテーションしている開襟シャツは、エヴィセン スケートボードとデラックスとのコラボレーション作。
鈴木泰之=写真(静物) 松平浩市、来田拓也、平 健一、窪川勝哉=スタイリング 増山直樹、いくら直幸、髙橋 淳、小山内 隆、髙村将司、まついただゆき、今野 壘=文