夏の風物詩ともいえる開襟シャツとストローハット。それらを装う楽しみは何なのか?

そこで開襟シャツにこだわりを持つTOKYO発のブランド、デラックスのディレクターHUEさんに話を聞いてみた。

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「去年の夏がホントに暑くて。そのときに開襟シャツは無敵だなって感じたんです」。初夏の昼下がり、HUEさんはこれからのワードローブについてそんなふうに話していた。

「Tシャツって肌にくっつくけど、開襟シャツは風が通るから涼しいんです」。HUEさんの開襟シャツの原体験は中学生の頃。音楽やスケートボードにのめり込む時分に買った、一枚のアロハシャツだった。

開襟シャツとストローハット。夏の定番スタイルについて改めて考えよう
[上]「ファッチーズ」のシャツ2万6000円/シック 03-5464-9321、「アーミッシュ」のハット1万800円/スーパー8 シューズ 03-6804-2174 [中]「ワコマリア」×「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」のシャツ3万5000円/パラダイス トーキョー 03-5708-5277、「ニックフーケ」のハット9万6000/エドストローム オフィス 03-6427-5901 © 2020 RATM [下]「エムズ ブラック」のシャツ2万7000円/セコンド ショールーム 03-3794-9822、「ソラリス」のハット3万9000円/ソラリスアンドコー http://solarishatmakers.com

「それ以降も’50sを意識したボウリングシャツを着たり、ロバート・デ・ニーロやマット・ディロンに憧れたりと、ルードなイメージに惹かれていました」。

開襟シャツはワルいヤツのユニフォーム。そんな認識で愛用していくも、徐々に違った側面も見えてきた。

開襟シャツとストローハット。夏の定番スタイルについて改めて考えよう
[左上]「マントル」のシャツ4万6000円/吾亦紅 03-6452-5530、「キャプテンズ ヘルム」のハット1万9000円/キャプテンズ ヘルム トーキョー 03-6434-9381 [右上]「ディーゼル」のシャツ2万1000円/ディーゼル ジャパン 0120-55-1978、「テシ」のハット2万4000円/オア グローリー 神宮前店 03-3423-9368 [左下]「デラックス」のシャツ2万4600円/デラックス 03-6805-1661、「サラヴァ」のハット2万5000円/フェイス 03-5738-1872 [右下]「ステューシー」のシャツ2万2800円/ステューシー ジャパン 0548-22-7366、「ステットソン」のハット2万3000円/ステットソン ジャパン 03-5652-5890

「実際にハワイに行ってみたらアロハシャツは正装で、いい大人がキレイに着ているんですよ。ストローハットを合わせて。そこで見方がだいぶ変わりました。

でも、例えばキューバシャツならクラシックカーに乗ってストローハットを被って、葉巻を吸うようなライフスタイルを送る男に似合うと思うし、それはウォール街にいるような人ではないですよね」。

開襟シャツとストローハット。夏の定番スタイルについて改めて考えよう
HUEさんが考える開襟シャツの着こなしベスト例は、2018年公開の映画『グリーンブック』の主演のひとりヴィゴ・モーテンセンの開襟シャツ姿。不良性がありつつも、大人としてちゃんとキレイに着こなしている。白Tを中に合わせたのも気が利いていますよね。 ©︎Everett Collection/アフロ

大人の格式と、不良性。開襟シャツにはそれらが同居しており、そこが面白さなのだ。

ちなみに、HUEさんがおすすめする開襟シャツの選びのポイントは、身幅が広く少し肩が落ちているタイプ。ただ、着丈はレギュラー。

「少しオーバーサイズなほうが今っぽいけれど、着丈が長いとだらしなく見えてしまいます」。

HUE●デラックスのディレクター。自身が今夏ヘビーローテーションしている開襟シャツは、エヴィセン スケートボードとデラックスとのコラボレーション作。

 

鈴木泰之=写真(静物) 松平浩市、来田拓也、平 健一、窪川勝哉=スタイリング 増山直樹、いくら直幸、髙橋 淳、小山内 隆、髙村将司、まついただゆき、今野 壘=文