「看板娘という名の愉悦」とは……

2018年の2月から始まった「飲食店の看板娘」連載。なんと、今回がリニューアル前最後の回となります。

もともと、お酒の紹介も兼ねた企画でしたが、コロナ禍が続き、それもできなくなり……。ノンアルで続けてきましたが、なんとなく忸怩たる思いがあったのです。とは言え、連載自体は「飲食店以外」も含める形で続きます!

というわけで、飲食店で働くラスト166人目の看板娘はメイドさん。約3年半あれやこれやをねぎらってもらおうと思いまして。

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電気街口を出て電波会館を横目に見ながら…。

秋葉原のメイドカフェで、看板娘がプレミアムな人気と心意気を買われていた
戦後、電子部品やラジオ部品を取り扱う露店が増えたという。

駅から歩くこと数分。目指す「あっとほぉーむカフェ 秋葉原本店」に到着した。オープンは17年前で、アキバのメイドカフェ文化を牽引してきた店だ。

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2階がショップで、3階から7階までがカフェ。

実は初めて入るメイドカフェ。システムを熟読する。入場料が770円、ドリンクは630円からか。

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思ったより良心的な料金設定だ。

さて、6階のカフェに入店しよう。

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店内には看板娘の姿。

通常ならメニューを見て、ドリンクとフードを注文して、ようやく看板娘のご登場という流れだが、ここはメイドカフェ。

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入り口でいきなりのお出迎えとなる。

そして、「ご主人様のご帰宅です! お帰りなさいませ、ご主人様~!」という大合唱。なんか気分上がりますね。

今回の看板娘はプレミアムメイドの「かげとら」さん。日本酒の景虎から取ったそうだ。年齢を尋ねると「永遠の17歳です」。徹底している。しかし、まだ注文はできない。

「ご主人様がとってもお久しぶりにご帰宅されたということで、お手紙が届いておりました。読ませていただきますね」。

その手紙は「ご主人様、あなたは常日頃からご主人様として素敵に日々を過ごされ、他のご主人様の模範であると認定されました~!」で始まった。

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「その功績を称え、ブロンズカードを贈呈いたします! おめでとうございます!」。

今後、“帰宅”する回数が増えるにつれてカードの色も変わるとのこと。

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5回目の帰宅時にシルバーカードにランクアップする。

この儀式を経て、ようやく注文。

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感染対策の一環でフードとデザートの提供は中止していたが、現在は再開。

「申し訳ありません。お食事とお飲物を作る妖精さんの力が弱まってしまっていて……」。どこまでも徹底している。では、メイドさんが絵を描いてくれるという「あいちゅモカラテ」(750円)をいただきましょう。


看板娘、登場

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「お待たせしました〜」。

かげとらさんが、さっそく絵を描き始めた。

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さて、どんな絵になるのか。

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こちらで完成。

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本当にありがとうございます。

「中学生の頃からコスプレにハマって、メイド服にすごく憧れがありまして。秋葉原に行った際にお店のポケットティッシュをもらって、それも嬉しかったんです」。

その後、上京して少し経ってからこのカフェで働き始める。ところで、店内にラベンダーのような香りが漂っていますね。

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いい匂いの正体はこれでした。

かげとらさんは現役メイドによるアイドルユニット「あっとせぶんてぃーん」に所属している。さらに8月からは新たなアイドルユニット「めいどいん!」も兼任し、これは9月17日にメジャーデビューが決まった。

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「めいどいん!」のキャッチコピーは「Maid in Your Life!あなたの毎日に、愛を込めて!」。

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過去のあっとせぶんてぃーんライブの様子。

ここで、取材に同席してくれた広報担当の君島美花さんにかげとらさんのことを聞いてみた。

「大阪店と合わせて計400人ぐらいのメイドがいますが、プレミアムメイドに選ばれるのはその中の20人ぐらい。人気と心意気を兼ね備えたうえで、お客様が認めてやっとなれる名誉な称号なんです」。

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全幅の信頼を寄せているようだ。

「あとは、今年4月には原宿の竹下通りにある『ポムポムプリンカフェ』とのコラボカフェがスタートしたんですが、そこでメイドを見て『私もなりたいと』思う女の子もいますね」。

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メイドたちが来場客をおもてなしするシステム。

せっかくなので最後にチェキを。

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撮った写真は専用の台紙に挟んで渡してくれる。

さて、取材終了のお時間となりました。かげとらさん、ありがとうございます。最後に読者への萌え萌えメッセージをお願いします。

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あ、かげとらだからモカラテにも虎を描いてくれたのか。

【取材協力】
あっとほぉーむカフェ 秋葉原本店
東京都 千代田区外神田1-11-4
電話:03-5207-9779

www.cafe-athome.com

「看板娘という名の愉悦」Vol.166
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。
しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文

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