リモートワークにアウトドア、はたまた万が一の災害時まで、コンセントが差せる電源があると安心感が全然違う。
しかし、一般的なシガーソケットじゃなく、電子レンジも使えるAC100V/1500Wのコンセントを備えた国産SUVはまだまだ少ない。
■トヨタ RAV4 PHV
アメリカでも人気が高く、2020年度には世界で最も売れたトヨタ車となったのがRAV4だ。
いかにもオフロード得意です!的な見た目や、アメリカではコンパクトなサイズが人気の一因のよう。実際オフロードでの実力も申し分なしだ。
RAV4にはガソリン車とハイブリッド車、そして外部から充電できるプラグインハイブリッド車と3タイプがあるが、このうちAC100V/1500Wのコンセントを標準で備えているのはプラグインハイブリッド車。またハイブリッド車でもオプションで選ぶことができる。
電池容量の大きいプラグインハイブリッド車なら、エンジンをかけなくても1500Wでフルに使い続けて最大7時間も電源を使い続けられる。
■トヨタ ハリアー
ラグジュアリー感を全面に打ち出しているトヨタのハリアー。
日本のみで販売されるモデルで、前後のドライブレコーダー機能を備えたデジタルインナーミラーや、調光ガラスを用いて陽射しを柔らかく遮る大型サンルーフなど、多くの先進機能が用意されている。
ハリアーには2Lのガソリン車と2.5L+モーターのハイブリッド車があるが、AC100V/1500Wのコンセントはハイブリッド車にオプションとして用意されている。
2WDと4WDモデルがあるので、4WDを選べばキャンプやアウトドアスポーツを楽しみやすくなり、出かけた先で家電を使えば、アウトドアまでラグジュアリーにしてくれるはず。
■トヨタ C-HR
2016年に登場した際はトヨタで最もコンパクトなSUVだったC-HR。
彫刻的なフォルムの街乗りをメインとしたモデルで、基本的には2WD。4WDも用意されているが、いわゆる生活四駆的な仕様で、主に雪国で暮らす人向けだ。
AC100V/1500Wのコンセントを用意できるのは、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッド車。2WDしかないが、スタッドレスタイヤを履けばスキー場だって十分行けるだろう。
都会派な見た目なのに、寒い雪山やサーフィンの休憩時にもサッと暖かいコーヒーを出せる気の利いたやつなのだ。
■トヨタ ヤリスクロス
C-HRよりさらにコンパクトなのがヤリスクロス。その名の通り、コンパクトカーのヤリスのSUV版だ。
といってもヤリスのラゲッジ容量が174Lなのに対しヤリスクロスは351Lもあり、左右の高さを変えられるラゲッジ床や、バックドアが足を振るだけで開くなどの便利機能が充実している。
1.5Lガソリン車と1.5Lエンジン+モーターのハイブリッド車があり、どちらにもオフロード走行時に使える4WDを用意。
AC100V/1500Wのコンセントを装備できるのはハイブリッド車。
ハイブリッド車の4WDシステムには、タイヤの空転時に脱出しやすくなるトレイルモードと、雪道を安心して走れるスノーモードが備わる。
夏は砂浜で扇風機を、冬や雪山でヒーターを気兼ねなく使える、小さいけれど頼れる一台である。
■三菱 アウトランダーPHEV
三菱の持つSUVと電気自動車と、ラリーカーのノウハウをギュッと詰め込んで登場したアウトランダーPHEV。
2.4Lエンジン+モーターを積む、充電できるプラグインハイブリッドで、現行型のデビューは2012年だが、ついに今年の冬にはフルモデルチェンジの兆しも。けれど現行型だって、度々改良が施されて十二分に熟成されている。
AC100V/1500Wのコンセントは2012年のデビュー時から用意されていて、現行型では全車に標準装備されている。
家と繋ぐV2Hに接続すれば、一般家庭の消費電力をエンジンをかけずに最大1日分、エンジンをかければ最大10日分も生み出せるという、排気量ではなく発電量でモンスター級のSUVだ。
■三菱 エクリプスクロスPHEV
アウトランダーPHEVのパワートレインや4WDシステムが、ひと回り小さなボディに搭載されているのがエクリプスクロスPHEV。
アウトランダーPHEVとの違いは、「ターマック(舗装路)モード」というワインディングを気持ちよく走るためのモードも備わるなど、どちらかといえばスポーティな走りに重きを置くこと。
AC100V/1500Wのコンセントはグレード「M」にはオプションで、「G」「P」には標準装備されている。アウトランダーPHEV同様、家と繋ぐV2Hに接続すれば、一般家庭の消費電力をエンジンをかけずに最大1日分、エンジンをかければ最大10日分生み出せる大容量。
ラゲッジ重視ならアウトランダー、走り重視ならエクリプスクロスを選ぶと良いだろう。
籠島康弘=文