10月14日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして「雑誌」をピックアップ。BRUTUS、an・an、週刊パーゴルフ、VERY、JT時刻表、ムー、nicola、週刊ヤングジャンプ、Pen、スタジオ・ボイス、rockin'on......ありとあらゆるジャンルの雑誌にまつわる情報を取り上げている。
今回取り上げる雑誌は、若年男子のバイブルとして崇められた『Hot-Dog PRESS』。伝説の人生相談に秘められた真相とは?

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読者が誰にも言えない悩みを打ち明ける「人生相談」は、雑誌好きなら当然押さえておかなくてはいけないコーナーの1つ。かつては『週刊少年ジャンプ』で星一徹がモーレツに回答していたし、アラサー女子なら『InRed』のYOUの人生相談を読んでるはず。最近、村上龍が『月刊BIG tomorrow』で人生相談を始めたことは、雑誌ファンなら当然チェック済みのはずだ。

回答者が読者層にマッチしているところに編集部による人選の妙がうかがえる人生相談だが、人生相談といえば忘れてはいけないのが、『Hot-Dog PRESS』の人生相談「試みの地平線」で童貞たちの悩みをぶった斬ってきた北方謙三氏。かの有名な「ソープに行け!」という回答はあまりにもインパクトがあったが、何と北方先生は、昨年発売の『週刊ポスト』2011年5月20日号のインタビューで、「実は『ソープ』は4回しか言ってなかった」と発言しているのだ。

その発言に待ったをかけたのは、人材コンサルタントの常見陽平氏。「きっと先生は忘れているだけなんです。証拠にほら、確実に4回以上、ソープって言ってますから!!」と、常見氏が見せてくれた『Hot-Dog PRESS』2001年3月26日号の「北方謙三大特集」には、確かに「59回」という数字が載せられており、「多い時で年9回」との集計も。常見氏は「翌年に連載が終了するまでに、少なくとも60回は超えるはず」と述べている。

なお、この「ソープに行け」という回答は、初出は1988年7月25日号の「初体験がスムーズにできない」というお悩みを一喝したもの。HIV騒動以降には「コンドームも忘れるな」がセットになったほか、「タクシーに乗って『堀の内!』と叫べ」などのパターンもあったそうだ。

◆ケトル VOL.09(10月14日発売/太田出版)