現在テレビ界では、芸能人が街を散歩する“街ブラ番組”が大ブームだが、お笑いコンビ「千鳥」が司会を務める『相席食堂』(朝日放送)は、ロケのVTRに千鳥が突っ込むことで初めて番組が完成するユニークな旅番組だ。全国のお笑いファンから喝采を浴びる同番組だが、どうしてこのような形になったのか? 2019年6月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.144で、千鳥の2人はこう語っている。


大悟 「本当はもうちょっとちゃんとした旅番組をやろうとしていたんですが、気づくと全然違う型になってしまって。それはそれで面白いなとは思っていますが」

ノブ 「最初のイメージ的には、女優さんとかロケに行ったことのなさそうな方が相席して、ほっこり観れる旅番組の感じだったんです。まあ『ここのロケこうしたらいいのに!』くらいはツッコんで、あとは田舎出身の僕らが田舎についてトークするみたいな。そしたら最初のゲストの菊池桃子さんからツッコミどころ満載で。やってる途中から、事前の打ち合わせと違う感じになってるなと」

当初のプランでは旅番組のはずだったのに、結果的にはお笑い番組にしてしまうとは、千鳥の2人もスゴいが、スタッフの腹のすわり方も並大抵ではない。実際、スタッフはなかなかの“曲者”が揃っているようだ。


ノブ 「プロデューサーも若いので怖いもの知らずなんですよ。泥船かもしれないけど、漕いでみようみたいな。ヤンキーのスタッフばかり集まって、喫煙率も100パーセント(笑)。グルメスポットの話とか一切出ないですから」

大悟 「この思い切りは凄い。僕らを信用してくれないとできんですよ。スタッフは普通は怖くてしゃあないはずです。
まぁ、だってほかの番組をフリにしてるわけですから」

ノブが「スタッフみんな今のTVをうっすら馬鹿にしている」と評すれば、大悟が「事前の打ち合わせはほぼなにもしてない」と語る、クレージーなスタッフに囲まれた千鳥。ただ、スタッフからは、「千鳥らしくやってください」というありがたい言葉をもらっているそうで、その信頼感が番組の面白さの原動力になっているようだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.144(2019年6月26日発売/太田出版)