沖縄を拠点に活動を続ける写真家の石川真生さん(70)が、第43回土門拳賞に決まった。主催する毎日新聞社が21日、発表した。
受賞対象となったのは昨年10~12月に東京オペラシティアートギャラリーで開いた写真展「石川真生 私に何ができるか」で、現場の状況に身を投じつつその状況を浮かび上がらせる写真と、一貫して沖縄を撮り続ける石川さんの志が高く評価された。
 写真展では、沖縄のミックスルーツの子どもたちや琉球弧で進む自衛隊配備など、これまで撮りためてきた作品を通して沖縄の実情を来場者に訴えた。
 石川さんは「写真歴50年を総括するような展示会。沖縄を理解し、写真展を開催してくれたギャラリーに感謝している」と話した。「沖縄の写真は沖縄の人が撮る」とのモットーを語り、「展示会は好きなので、生きている間はずっと続けていく」と意欲を示した。
 土門拳賞は、今日の写真文化の大きな流れの一つをつくった同氏をたたえて1981年に毎日新聞社が制定。
毎年、プロ・アマを問わず優れた成果を上げた写真家を表彰している。
 同賞の沖縄関係者の受賞者は第15回(1996年)の浦添市出身の砂守勝巳さん(2009年死去)以来2人目となった。(学芸部・知念豊)

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