神谷さんがチャリティーランを初めて企画したのは東日本大震災が発生した2011年。福島県にいる友人と数日たってやっと電話が通じ、「何か力になりたい」と考えた。
20代の頃、バイクで全国を旅した経験がある。その時に出会った各地のバイク愛好家に呼びかけると約80台が集まった。その後、大地震に襲われた熊本や大阪北部、豪雨に見舞われた西日本のほか、児童施設支援や首里城再建にも協力した。参加するバイクの台数は年々増えていった。
今回は40万5千円が集まり、中城村観光協会を通じて能登半島地震の被災地に全額寄付した。海外から駆け付けて県内でレンタルバイクを手配した人や、静岡県から愛車を持ち込んだ人もいたという。
スーパーカブ、ハーレーダビッドソン、カワサキZなどに混じって会場では名護市の松田正浩さん(62)のバイクがひときわ目立った。人と同じくらいの大きさのクマのぬいぐるみ「ユキちゃん」と2人乗り。トランクにお菓子やおもちゃを詰めて、中城村までの道中、観光客らに配った。
松田さんは「コロナで消えてしまったみんなの笑顔を取り戻したくて。こういうチャリティーランはいいね。あの人いるかな、会えるかなって、お互いに生存確認できる場」とほほ笑んだ。