生田絵梨花(27)がソロデビューを果たした1stEP『capriccioso』(カプリチョーソ)が4月10日に発売された。タイトルは“気ままに”“気まぐれに”という意味の音楽用語。
かちかちに決められたことをやったり守ったりするのではなく、はみ出してみたり音で遊ぶような感覚を大事にしたいという生田の気持ちと、気軽に好きな時に好きなように聞いてもらいたいという想いを込めたという。今回のインタビューでは、“capriccioso”のように一つのことにとらわれずにマルチな活躍を続ける生田の心境や、昨年の『紅白歌合戦』に出場した際のエピソードなどを聞いた。

――生田さんは2021年に乃木坂46を卒業後、音楽活動だけでなく、ミュージカル、ドラマ、音楽番組MC、声優など幅広く活躍されていますが、ご自身ではどのように受け止めていらっしゃいますか。

【生田】卒業した時には考えられないくらい、想像以上にさまざまことをやらせていただいていて、こんなにいろんなジャンルに挑戦できるとは思っていなかったです。それはすごく感謝しなきゃいけないなと思うし、だからこそ全部が中途半端にならないように、何倍も頑張らなくちゃいけないなって思います!

――忙しさに「しんどいな…」と思うことはありますか?

【生田】もちろんあるんですけど、昔に比べたら“心の余白”を作れるようになったかなと思います。昔は理想としたものができないと、すごい落ちちゃったりとか、急に全てが嫌になったりとかもありました。
でも最近は、行き詰まりそうな時に1回立ち止まることができるようになったんです。思い通りに行かないからって、全部ダメになってしまうのはもったいないし、そうではないじゃないですか。自分の中に余白を作ってあげることで、ちょっと自分を許せる気持ちになるし、1回立ち止まった地点からまた踏み出すことができると思います。

――すごく前向きな考え方ですね。そんな生田さんにとって、特に「音楽」というジャンルにおいての目標はありますか。

【生田】「続けていきたい」っていうのが、結局一番大きな目標かもしれないです。
自分の音楽を1人でも多くの人に届いたらいいなっていう思いも確実にあるけど、「これで達成感いっぱい終わり!」とか、「この会場でできたゴール!」とかじゃなくて、やっぱり長く続けるっていうのが一番大変なことだと思うので、頑張って少しでも長く続けていきたいなと思います。

――少し話は変わりますが、昨年の『紅白歌合戦』では、ディズニーと“ハマいく”の2曲で出場されました。特にかまいたち・濱家隆一さんとのユニット“ハマいく”の 2人での『紅白』の舞台はいかがでしたか?

【生田】いや、単純にまず驚きでした(笑)。もちろんすごく遠い夢として、いつかまたこのステージに戻ってこれたらと漠然とは思ってはいたけど、まさか濱家さんと一緒に戻ってくるとは思わなかったです(笑)。大舞台でめちゃくちゃ緊張しながらも、この曲をたくさんのアーティストさんが踊ってくれてすごくうれしかったです。TikTokでいろんな方が知ってくれたという声も聞いて、そうやって楽しんでくれた人たちと一緒にステージに立てたような感じがしました。
あと何より、濱家さんが一緒だったからものすごく心強くて楽しかったです!

――緊張されていないように見えていましたがやっぱり緊張されていたんですね(笑)

【生田】私は緊張してないようなフリが得意なんです(笑)。もちろん平気でやってるわけじゃなく、実は不安だったりもするし、自分でも呆れちゃうぐらい大事な場面の前日は寝れないとか…今もなんです(笑)。でも最近は緊張を抱えながらも、日常の温度感を持ってステージに立つことが大事なんだなと思えてきて。ステージじゃなくても、人生においては踏ん張らなきゃいけない場面っていっぱいあるじゃないですか。その時の状況、シチュエーションと重ねてステージも考えるようにしています。

――ちなみに乃木坂46の後輩たちのステージは見れましたか?

【生田】ステージ自体は残念ながら直接見れなかったんですけど、舞台裏でコミュニケーションをとれたのがすごいうれしかったです。
みんなが「頑張ってください!」と言ってくれることが、すごく励みになりました。頑張んなきゃ!っていう気持ちと安心感はすごく大きかったです。

――最後に1stEP『capriccioso』の見どころや、読者の方へメッセージをお願いします!

【生田】「capriccioso」(“気ままに”“気まぐれに”という意味の音楽用語)っていうタイトルにあるように、皆さんも聞くことを気負わずに、気楽に聞いていただきたいです。日常の中で楽曲を聞いて心が弾んだり、動いてみようって思えてもらえるような作品になっていますので、皆さんに寄り添えたらすごくうれしいなと思います!

■プロフィール
生田絵梨花(いくた・えりか)
1997年1月22日生まれ。ドイツのデュッセルドルフ出身。2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格。
2021年にグループを卒業。現在はミュージカルをはじめドラマ・映画など幅広く活躍。2023年12月にはディズニー100周年記念作『ウィッシュ』の主人公アーシャ役の日本版声優を務めた。ソロアーティストとしては2022年からライブ活動を始め、2023年秋には全国5か所、9公演の全国ツアー『Erika Ikuta Autumn Live Tour 2023』を開催。2024年4月10日、ソロアーティストとしてのデビュー作となる1stEP『capriccioso』(カプリチョーソ)をリリースした。