原案・脚本・監督・押井守(『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』)、原案・アートディレクション・天野喜孝(「ファイナルファンタジー シリーズ」)によるオリジナルアニメ『天使のたまご』が、公開から40周年を迎える2025年に向け、4Kリマスター版の制作が決定した。

 押井守監督本人による監修の元、35mmのフィルム原版からスキャニングし、最新技術を用いて4Kリマスター化する途方もない作業が始まっており、4Kでさらに美しく蘇らせる。


 1985年にOVAとして発表された同作は、現在では世界的な評価を受け日本を代表するクリエイターである押井と天野の両名が、若き日にタッグを組み産み出した作品。その美しい映像と他の追随を許さない圧倒的な世界観で熱狂的なファンを生み、アート作品としても評価されており、伝説の作品としてその名をアニメ史に刻んでいる。85年当時はOVAとして発売、その発売記念として期間限定で劇場公開された。

■『天使のたまご』あらすじ
水没した都市の中で、たまごを抱き続ける少女。彼女は、それが天使のたまごであると信じていた。奇怪な戦車から降り立った、巨大な銃を抱えた少年。
彼は、夢で見た“鳥”を探していた。廃墟のような街で、ふたりの間にはほのかな共感が芽生えたかに見えたが、ある晩、少年は少女のたまごを砕いてしまう。

■作品解説
1985年12月にOVA発売/限定公開。
うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『イノセンス』など、作品を発表するたびにそれまでのアニメ、映画の常識を覆してきた鬼才・押井守が、今や世界的なイラストレーターとして活躍する天野喜孝と共に幻想的な異世界を描き出した。

限りなくモノトーンに近い色彩、ごくわずかの台詞、異例の長回し、通常のアニメーションの約3分の1という少ないカット数(約400カット)…こうした禁欲的なスタイルで全篇を貫き、全ての押井作品の底に流れる「自己存在への懐疑」というテーマが映し出される。押井守の、初めてのオリジナル作品であり、彼の作家としての出発点とも言える重要な一作である。


●スタッフ
製作:徳間康快
企画:山下辰巳、尾形英夫
原案:押井守、天野喜孝(アニメージュ文庫「天使のたまご」より)
プロデューサー:三浦光紀、和田豊、小林正夫、長谷川洋
監督・脚本:押井守
アートディレクション:天野喜孝
美術監督・レイアウト監修:小林七郎
作画監督:名倉靖博
作曲:菅野由弘
音楽監督:菅野由弘
音響監督:斯波重治
撮影監督:杉村重郎
編集:森田清次

●キャスト
少年:根津甚八
少女:兵藤まこ