『世にも奇妙な物語』は、1990年4月にレギュラードラマとして放送を開始し、その後は特別編という形で年に2度放送。
◆『BLACK ROOM』(2001年/主演:木村拓哉/脚本・演出:石井克人)
伝説の「奇妙」といえば、やはりこの一本―――主演・木村拓哉が、奇妙な家に帰省した息子役として、抜群のテンポとキレッキレの芝居で魅了。迎えるのは、今は亡き名優・志賀廣太郎さんと樹木希林さんという最強の両親役コンビ。三人の絶妙なセリフの応酬と、予測不能なぶっ飛び展開が笑いと混乱を巻き起こす。そして、度肝を抜く圧倒的なラスト…。SNSでも「もう一度見たい!」の声が絶えず、35年の中でも人気トップクラスと称される唯一無二の傑作。今回、復活。
(あらすじ) アメリカ留学中のナオキ(木村拓哉)は、3年ぶりに両親を驚かせようと帰国。しかし、実家は真っ暗な空間に変わり果てていた。
◆『夜汽車の男』(2002年/主演:大杉漣/演出:鈴木雅之)
駅弁の食べ方だけで17分―――そんな突拍子もないテーマを、ここまで可笑しく、狂気的に、そしてどこか切なく魅せられるのは「奇妙」ならでは。主演は、今は亡き名優・大杉漣。惜しくもこの世を去られた今なお、人々の記憶に深く刻まれている大杉は、『世にも奇妙な物語』最多出演を誇る、まさに「奇妙」のレジェンドであり、ストイックで繊細な演技も必見。視聴後、あなたも駅弁の順番に悩み出すこと間違いなし。異色だけど、なぜか心に残る。静かな怪作、ここに復活。
(あらすじ) 乗客の少ない寂れた夜汽車に乗り込んできた謎の男(大杉漣)は、ただ黙々と弁当を食べ始める。彼は何の変哲もないおかずの一品一品を無駄に高い洞察力で分析し、ご飯の割り振りや食べる順序のプランを立て、食べ進めていく。その姿は異様でありながらも、どこか引き込まれるものがある。やがて、彼の行動にはある意図が隠されていることが明らかになり、物語は予想外の展開を迎える。
◆『ロッカー』(1990年/主演:織田裕二/演出:瀧川治水)
“トラウマ級”と語り継がれる、初期「奇妙」の伝説的ホラーエピソード。
(あらすじ) 産業スパイの悟(織田裕二)は、研究所に忍び込み、重要なデータを盗もうとしていた。しかし、作業中に研究所職員・佐口邦夫(段田安則)に見つかり、もみ合いの末に彼を殺害してしまう。逃げようとした悟は、警備員の足音を聞き、とっさに近くのロッカーに身を隠す。安心したのも束の間、ロッカーの扉が開かなくなってしまう。さらに、そのロッカーが殺害した佐口のものであることに気づき、悟は愕然とする。外では警備員が警察を呼び、現場検証が始まる中、悟はロッカーの中で孤立し、次第に追い詰められていく…そして、衝撃の展開が待ち受ける!
◆『美女缶』(2005年/主演:妻夫木聡/脚本・演出:筧昌也)
奇妙では珍しい“恋愛ジャンル”の傑作。「理想の女性が缶詰めから出てくる」という突飛な設定ながら、物語は抒情的で美しく、特にラストの描写には胸を締めつけられた方も多いはず。映像全体を彩る鮮やかなトーンと余韻のある演出が、今なお多くのファンの心をとらえ続けている。
(あらすじ) フリーターの雄太(妻夫木聡)は、同棲中の彼女・春子が出張に出かけたことで、一人暮らしを始める。ある日、隣人の冴えない男の部屋から毎朝違う美女が出てくるのを目撃し、不思議に思う。興味を持った雄太は、冨岡の部屋に忍び込み、「美女缶」という缶詰を発見する。試しに使用してみると、藤川サキ(臼田あさ美)という美女が現れ、雄太は彼女と心を通わせていく。しかし、「美女缶」には、とある秘密が隠されており…。
◆『恋の記憶、止まらないで』(2019年/主演:斉藤由貴/演出:岩田和行)
比較的新しいエピソードながら、SNSを中心に「本気で怖い」「トラウマ級」と話題を呼んだ、“令和の奇妙”を代表する一本。都市伝説的モチーフと呪いの連鎖が巧みに絡み合い、「奇妙」が描き続けてきた「日常のすぐ隣にある恐怖」を、90年代Jホラーの要素に現代の感性を抱え合わせて再提示。主演・斉藤由貴の鬼気迫る演技が物語の不穏さを加速させ、そして、見終えた後も“あの声”と“あの歌”が頭から離れない――2010年代以降で人気の傑作、ここに再来。
(あらすじ) シンガーソングライターの村瀬志保(斉藤由貴)は、創作に行き詰まりを感じていた。ある日、夢の中で聞いたメロディを元に新曲を作り、大ヒットを収める。