今作では、半兵衛の悪行退治に力を貸す元御庭番衆・藤兵衛に田山涼成、半兵衛行きつけの料亭女将のお咲に中山忍、半兵衛の息子で目付・日向新太郎に田中偉登、奈津の母・郁に市毛良枝、父・清四郎に橋爪淳、半兵衛の理解者でもある火付盗賊改・長谷川平蔵に榎木孝明、半兵衛を高く評価している老中・松平定信に杉本哲太など、レギュラーキャストが今回も集結。
今回、飢饉による米不足の世でありながら幕府がいざという時に流通させようと米を蓄えていた義倉が盗賊に狙われるなど、米の価格が高騰している現代を生きる私たちにとっても身近に感じるようなエピソードが描かれる。半兵衛と懇意の老中・松平定信が推し進める倹約政策を逆手にとり、町の商人から高価な物品を言葉巧みにねだる悪徳大名と、その“米騒動”の関係が半兵衛らの活躍によって明らかに。そこには定信の地位を危うくするような巨大な陰謀が…。
【コメント】
■水谷豊
この作品も『9』になりますが、よく夫婦で“空気みたいな関係”と言うじゃないですか。僕は私生活でそんなことを思ったことはないんですが(笑)、この作品でそれが少しわかってきました。今回はそんな“空気みたいな”感じがしていました。吉川監督も今年90歳になられましたが、去年よりもエネルギーがあったような気がします。演じていて、ただただ楽しい監督です。
『無用庵』がこれだけ続くということは、見てくださる方が楽しんでくださるから。それを実感しますね。
■岸部一徳
水谷さんがおっしゃる“空気みたいな”というのはなんとなく分かる気がします。『無用庵』は不思議な、他の作品では感じない魅力があります。家に帰ってきたような、(現場に)迎え入れてもらっているような、そして吉川監督にはいつまでも勉強させてもらっています。それが回を重ねるごとに、ますます良くなって、空気のようになっていく、というのが理想ですね。
■檀れい
“空気みたいな関係”というのはうれしいですね。無用庵が始まったときには水谷さんと一徳さんのお二人がこれまで共演し積み上げてきた呼吸による掛け合いが本当に楽しくて。その中に私はどういう風に入っていけばいいんだろうと思っていましたが、回を重ねて丁寧に作っていく中で、“空気みたい”と言っていただけたのはすごくうれしいです。
吉川監督はとてもお元気で、年齢を感じさせない頭の回転の速さ、鋭さとか、お芝居を作っていくうえでの誰もが惹きつけられるような演出とか、現場に来るたびにいろいろな発見があってすごく刺激的です。素敵な監督とお仕事させていただいていると思います。
今回のクランクインでスタッフの方から『日向半兵衛役の水谷豊さんでーす』と紹介があったとき、スタッフのみなさんの拍手が鳴り止まなかったんです。