ギャラクシー賞・放送文化基金賞・民放連盟賞の3冠を受賞した『空想労働シリーズ サラリーマン』。
漫画連載・アニメ化・実写ドラマ化の展望を描くサラリーマンシリーズ。その原作にあたる音声ドラマの最新作にして“問題作”が、第3期『サラリーマンBLACK』となる。主人公ヤマダ役・杉田智和、ヨーコ役・早見沙織、コジロー役・関智一、会獣役・野沢雅子らに加え、本作から主要キャストにユメコ役・花澤香菜を迎え、超豪華キャストの熱演で、よりハードに、よりシニカルに、未だ「ブラック」な日本企業を風刺的に描き出す。「君よ、黒い涙をぬぐえ」。
【あらすじ】
昭和100年。高度経済成長の末、労働人口が9割を超えたニッポンは、プロレタリア星の指揮監督のもと新たな「労働憲章」の制定を急いでいた。そんな時代の変化に抗うように、進歩的な働き方を示す「労働博覧会」パビリオンを“会獣”(=会社の獣)が襲撃する。
出展企業の一社である「毎日商事」には、かつてサラリーマンだった男・ヤマダが転職していた。同僚のユメコと共に駆け出すヤマダ。「ほんとは、どっちでも良かったんだ…!この国が変わろうが変わるまいが、当たり前のいつもが続けば、それで…」。悲痛な叫びに応えるように、ヤマダの目の前に労働の巨人が飛来する。
「黒い…サラリーマン」。巨人の名は、サラリーマンBLACK。過重労働をものともしないその姿は、失われたモーレツ社員の残影なのか。何が彼を変えたのか。その正体は、果たして──。
■コメント
【ヤマダ/杉田智和】
今回“BLACK”とタイトルにありますが、黒い色というのはとても強く、『それ以上他の色にならない』とか『黒く染まれ』『黒歴史』とか『黒は綺麗にみせるのよ』とか…。あとは、なんと言っても『ブラック企業』。そういう問題でよく出てくるんですね。無茶振りというのは、それができてしまうと、次から“無茶”じゃなくなるんですよ。ブラック企業の温床って、そういうところから始まるのかな、って。なら、治らない病気と同じ。
【会獣/野沢雅子】
第3期も会獣を担当できて大変うれしいです。台本を下読みするときから、会獣をどう演じようかワクワク楽しみでした。言葉じゃなく鳴き声だけで心情やシチュエーションを表現しなきゃならないから、いろいろ工夫してみました。『あらいぐまラスカル』を思い出しましたね。『サラリーマンBLACK』、声優陣はもちろん、RKB毎日放送のサラリーマンの皆さんや音楽も素晴らしいので、ぜひぜひ聴いてください。お楽しみに。
【ヨーコ/早見沙織】
前作に引き続き、ヨーコさんとして声を担当できて大変うれしく思っています。いやー、びっくりしました。今回は、ヨーコさんとヤマダさんの関係性がとてつもなく進展しています。それに伴って、セリフの雰囲気も少し変化しているところもあって、大変楽しくお芝居させていただきました。
【一匹狼のコジロー/関智一】
第3期まで続いちゃうという…これもひとえに、皆さんの応援と、冨士原圭希さんの熱意から来るところと思っています。僕も、第3期も出演できてとても楽しみですし、今回、サラリーマンソフビの原型も担当いたしまして…。そちらも併せて楽しんでいただけたらと思います。これからも『空想サラリーマン』ぜひよろしくお願いします!
【ウザクセイジ/子安武人】
今回は『ウザクセイジ』という…。あ、前回の(ウサンク星人)とは違います。ウザクセイジなので。くれぐれもお間違いのないように。え?実は同じじゃないか?そんなわけないじゃないですか。ウザクセイジですよ。ウザいんですよ?それはそうと、家が近いんで遊びに来ました(笑)。
【会社犬オフコース/大塚明夫】
会社犬とはどういうものなのか。別に会社で犬を飼っているわけでもないんですが、あまりにも会社に尻尾を振りすぎて、会社の犬になってしまった。それがリアルに“犬”になってしまった男…そういう恐ろしい話です。決して怪談ではございません。バカバカしくて、皆が笑えるものと捉えていただいて結構です。ウー、ワン!
【ユメコ/花澤香菜】
このシリーズ、初めて参加させていただいて、収録とっても楽しかったです!今回は、杉田智和さんと2人で、セリフを録ることができました。皆さん、ラジオドラマは耳だけで楽しんでいただくと思うんですが、私たちの掛け合いの空気感を、よく聴きながら楽しんでいただけたらと思います。会社員の役は、あまりアニメでやることがなかったのですごく新鮮で、私自身完成を楽しみにしています。皆さんもお楽しみに!
【サボロー/鈴村健一】
僕は特撮が大好きなんですけど、大好き大好き言ってると、こうやってご縁もいただけるという…大変ありがたいお話です。サボローくんは、名前の通りです。
【タナカ/鬼頭明里】
私の演じる会社員・タナカは、若者の皆さんには共感していただけるキャラクターになっていると思います。キャストの皆さんが豪華すぎて『どうして私ここにいるんだろう?』と思いながら収録していました(笑)。結構コミカルにお話は進んでいきますが、芯を突いた発言や『わかるな~』ということも言ってたりする、すごく深い作品だと思っています。皆さんにもそこを楽しんでいただけたらうれしいです!
■音楽
【松隈ケンタ】
サラリーマンという存在をここまでドラマティックに、しかもダークに描ききったこのシリーズに、今回も音楽で参加できることをとても光栄に思います。今回は、作品に込められた“闇”感や、“正義と葛藤のあいだで揺れる人間臭さ”を音でも表現しました。自分なりに、どこかで見たような黒いスーツの孤独なヒーローをイメージしながら、哀愁と重厚感のある音を忍ばせています。サラリーマンという名の“変身ヒーロー”の悲哀と戦いを、音楽でもしっかり後押しできたらと思います。ぜひこの世界を楽しんでください。
■企画・脚本・演出・編集
【冨士原圭希(RKBアナウンサー)】
昭和98年(2023年)からスタートした本シリーズも、ついに第3期に突入しました。