正面に集合住宅、裏には神社の森が広がるという敷地条件を生かし、建物には大きなガラス壁を斜めに配置。
玄関から入ると、直角三角形の土間空間が広がり、スケルトン階段越しの光が訪れる人を2階へと導く。2階は約25畳のLDKと約10畳のテラスで構成され、その仕切りは全面ガラス。東側の神社の森を借景し、ひとつの巨大空間として広がる。道路側である西面には窓を設けず、自然と視線が緑地へと向かう設計となっている。
西端に配置されたキッチンは、食品庫と書斎コーナーを隣接させ、家事とリモートワークの両立を意識した造り。続く三角形のテラスは、集合住宅からの視線を遮りつつ、東の緑を最大限に取り込むことを狙ったものだ。深い軒や小型のシンクを備え、“外のリビング”としての機能を持たせている。
1階にはプライバシーに配慮した洗面・浴室、夫の書斎、寝室、将来の分割利用を想定した子供室を配置。横スリット状の高窓から光を取り込み、緑を感じられる工夫が凝らされている。
竣工:2024年6月
敷地面積:135.3平方メートル(40.9坪)
建築面積:67.1平方メートル(20.3坪)
延床面積:117.4平方メートル(35.5坪)
構造:木造在来工法
設計:納谷新+島田明生子/360°