日産自動車は22日、新型『ルークス』を発表。これにともない、都内で「日産 新型 『ルークス』先行披露会」を行った。


 先行披露会では、同社日本マーケティング&セールス 執行職の杉本全氏、同社リージョナルプロダクトマネージャーの田仲藍氏が登壇し、同車について説明。このなかで、2人が繰り返し伝えたのは、「軽自動車の市場の中で最も競争が激しい、“スーパーハイトワゴン”のカテゴリーにおいて、新しい軽のスタンダードとして新型『ルークス』を投入」ということだった。

 2人が話す通り、軽自動車の“スーパーハイトワゴン”市場はまさに群雄割拠。販売台数ランキングの上位を推移するホンダ『N-BOX』をはじめ、スズキ『スペーシア』、ダイハツ『タント』など競合が並ぶ。これらの車種は、車種のベースは変えずにターゲットによって、デザインや装備を変えるなどしてシリーズ化を図り、幅広い層から支持を集めている。

 そんな文字通り“激戦区”に投入される新型『ルークス』について、杉本氏は「4代目となる今回のモデルは、安全性、乗り心地、使い勝手、先進性、全てにおいて魅力あふれる車に仕上がっております」と自信を見せる。

 同車の商品企画を担当した田仲氏は、企画を立ち上げるにあたり「軽自動車に求められる価値を過去、現在、そして将来とその変遷を深掘りいたしました」と前段を説明。そのうえで「軽自動車はこれまで『個人の移動手段として走ることができれば十分』『なるべく安く手に入れたい』と考えられていましたが、時代の変化にともない、『自己表現の手段』や『自分だけの空間』が求められるようになってきています」と、考え方の変化に着目したという。

 実際にドライバーの声、悩みを聞いてドライバーの快適性を第一に企画したという同車のターゲットカスタマーは、40代子育て世代の女性。「自分自身のやりたいことを追求しながら、自分も周囲の人も幸せにしたい。そんなポジティブなマインドを持ちながら、忙しい毎日を楽しく生きていらっしゃるお客様」「ターゲットの方々は、知的好奇心が旺盛で、自分の知識や経験を深めるのが楽しい、もっと自分の可能性を広げたい、人との出会いが自分を高めてくれるという思いをお持ち。だからこそ、一期一会を大切にしていて、毎日の忙しいルーティーンを明るい気持ちと創意工夫で楽しくこなしていく、そんな方々です」(田仲氏)を念頭に企画したと話す。


 先行披露会では、“おすすめ”のポイントとして「見えにくいところがもっと見える」として『フロントワイドビュー』、3Dでぐるっと見える『3Dビュー』、車の下が見える『インビジブルフードビュー』など、運転している時の安全性を説明。デザインでは、“ルークスの温もり感と遊び心を表現した”という「かどまる四角」をボディやホイールなど随所に配したことをアピールした。また車内においても居心地よく、広い空間にこだわったといい、登壇した俳優の仲里依紗(35)が、「後部座席で足が組めるちゃうんですよ。私何度も確認したんです。『ホントに軽自動車ですか?』って」「後部座席にリラックスして乗れる。しかもご飯食べる台もあるんですよ。だから絶対現場で使える。移動飯だから、いつも」と絶賛。その実用性の高さをアピールした。

 同車の発売は秋ごろとし、メーカー希望小売価格は160万円台からを予定。杉本氏は「日産は5月に経営再建計画 『Re:Nissan』を発表し、現在全社一丸となりこの計画を推進しております。本日お披露目させていただくこちら『ルークス』は、計画発表後に日本市場へ投入する初めての新型車となります。
日産復活の鍵を握る重要なモデルです」と、その重要性を語る。

 “激戦区”での争いを制し、“日産復活”の第一歩となるのか。今秋の発売が待たれる。
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