今作は東海テレビ制作、フジテレビ系で4月期に放送された『ミッドナイト屋台~ラ・ボンノゥ~』の続編。天才シェフ・遠海翔太と寺の元副住職である方丈輝元“最強バディ”が横浜を舞台に、夜な夜な屋台を訪れた人のお腹と心を満たすヒューマンドラマ。
第5話で描かれるのは、桂華の知られざる物語。翔太と輝元2人のことを「へっぽこ」と呼び、常にきつい態度で接するポートビルのオーナーかつ中華街の名店『桂華楼』の経営者でもある女性・桂華を、浅野は毎回見事なチャイナドレスの着こなしで演じている。
言葉づかいは荒く金儲けに熱心な一方で、何かと翔太と輝元の世話を焼く思いやりのある女性という一面も。今回は、そんなインパクト強めの役を生き生きと演じている浅野が、ドラマのことや食の思い出などを語った。
■浅野ゆう子インタビュー
――インパクトの強い桂華ですが、どんなことを心がけて演じていますか?
第5話で明らかになりますが、桂華は中国から出稼ぎにやって来た女性で、日本で結婚し、夫婦で一生懸命働いて自分たちの店を持ったんですね。中国出身という設定なので、言葉やイントネーションは大丈夫かなと思ったのですが、監督から「長く日本にいる設定なので、その辺りは気にしなくて大丈夫です」と言われ、少し安心しました。それと、桂華はかなり大雑把で言葉遣いも荒い女性なのですが、そんな中にも「横浜の母親」のような雰囲気で翔太と輝元を見守るように演じてほしいという指示がありました。そこで頑張っている2人の背中を、「いってらっしゃい」と優しく押すような気持ちで演じています。もちろん、口調は荒いままなんですけどね(笑)。
――桂華は若い頃から苦労をして、自分の店を持つまでになったということが第5話で明かされますが、浅野さんご自身は若い頃の思い出の料理などはありますか?
なんだろうなぁ…。
――ちなみにこのドラマでは「食」がテーマになっていますが、浅野さんの中で大切にしている食習慣はありますか?
このお仕事だと、どうしても昼食は出来合いのお弁当ということが多くなるんですね。そこでバランスを取る意味でも、朝食時に野菜と果物30種類を使ったスムージーを作り、飲んでいます。結婚してから8年間、おだて上手な夫の「これを飲むと毎日元気に仕事に行けるよ」という言葉にのせられて(笑)、スムージーが2人の朝の習慣に。今ではもう、自分たちの食生活の基盤になっていますね。
――第5話では、これまでは分からなかった桂華のさまざまな面が見えてきますが、どんなところが見どころですか?
常に強がっている桂華が、実はご主人のことでこんなにも一生懸命になっているという部分は、人間誰しも見えない部分で自分の人生を生きている、ということを感じていただけるのではないでしょうか。そして大切な人との別れは誰にでも平等に訪れるわけですが、桂華がそこにどう向き合い、その後をどう生きていくのかを見ていただきたいですね。
――視聴者の方へのメッセージをお願いします。
神山さんと中村さんが演じる翔太と輝元が自分たちの人生と向き合い、ひたむきに頑張る姿というのが、このドラマの一番の魅力。彼らがメインのドラマですから、たくさんの若い女性の方々がご覧になっていると思います。でもキャストの年齢がさまざまということもあり、意外と幅広い世代の方に楽しんでいただけるドラマになっているんですね。例えて言うなら、ゴールデンに放送されるホームドラマ的な要素もあるので、そうした部分も楽しんでいただけたらと思っています。
■第5話 あらすじ
星羅(永瀬ゆずな)がケガをし、翔太と輝元は母・奈津子(橋本マナミ)の代理で病院に迎えに行く。すると、なにやら深刻な様子で医師と話す桂華の姿を見かける。違和感を覚えるが桂華に直接聞くわけにもいかず、複雑な心境の2人。翌日桂華の店を訪れると、今度は怪しいスーツ姿の男たちともめているところに出くわす。
男たちはなんと病院にも訪れ、さらに別の男(遠山俊也)も加わり、桂華と口論になっていた。その場に偶然出くわした星羅が彼らの後をつけるが気づかれてしまう。すると姿を見られた男たちは星羅に近づき…。星羅の危機に病院に駆け付けた翔太と輝元が知った、衝撃の事実とは。