今作は、黒柳徹子の著作『トットの欠落帖』(新潮文庫刊)を原案として、黒柳が“NHK専属女優”となるまでの青春時代を描く。
物語は、1946年からスタート。戦争が終わって1年、疎開先の青森で母(尾野真千子)と2人で暮らしていた徹子(芦田)は、やりたいことを見つけるために、母を青森に残して単身上京。東京の香蘭女学校に転校する。香蘭女学校はキリスト教の学校ではあるものの、もともとの校舎が空襲によって焼けてしまったため、徹子が通うことになったのはお寺の境内にできた仮校舎。聖歌とお経がいっぺんに聞こえる珍しい場所で、徹子の新しい学生生活がスタートした。
おてんばで声が大きく、思いついたことはすぐに口に出てしまう徹子。興味があることは何でもすぐにやらないと気が済まない性分は、女学校に通い始めても一向に直る気配がなかった。礼儀作法に厳しい香蘭女学校で、徹子は担任の赤木先生に叱られっぱなし。
そんな学生生活の中、徹子の唯一の楽しみは、学校帰りに、禁止されていた映画館に寄ってこっそり映画を見ること。スクリーンに映し出される自由で美しい世界に、徹子はすっかり心を奪われてしまう。ちょうどその頃、徹子はある男性にも夢中になっていた。
一方、徹子の母・朝は、青森で定食屋を営みながら、東京と青森を行き来する行商でたくましくお金を稼ぎ、東京に念願の新しい家を建築。