本作は、島根で生まれ育ったヒロイン・松野トキ(高石)がつまずきながらも前向きに生きていき、世界を転々とした末に日本にたどり着いた外国人の英語教師と出会い、“怪しい話好き”という共通点から次第に心を通わせていく。
■制作統括・橋爪國臣のコメント
「この世はうらめしい。けど、すばらしい。」このコピーを、松野トキとレフカダ・ヘブンの日常を切り取った写真で表現してもらいたい。スナップの名手であり、人に優しく寄り添って写真を撮っていただける川島小鳥さんに撮影をお願いしました。
撮影は、松江市内にある小泉セツ・八雲ゆかりの場所で行いました。できるだけ2 人の自然な一瞬を捉えるため、どこをどう切り取っても大丈夫なように美術チームが準備をし、撮影現場からメイク衣装チームやマネージャーも含めた全スタッフが見えないところに離れ、小鳥さん、高石さん、トミーさんの3 人だけで撮影を行いました。遠くから聞こえてくるのは、2 人の楽しそうな笑い声だけ。見たいけど見られない、ヤキモキしながら3 人が帰ってくるのを待っていました。きっと、心から2 人の散歩を楽しんだのだと確信しています。
後日、小鳥さんから「厳選しました!」と候補写真が送られてきました。なんと217 枚もありましたが、その一枚一枚が私たちの想像をはるかに超える素晴らしいものでした。
そして、この写真の魅力を最大限に引き出すビジュアルデザインは、ロゴも手がけていただいた西澤和樹さんにお願いしました。シンプルだけど計算しつくされていて、写真が持つ空気感はそのままに、コピーがすっと心に届く。写真一枚の奥に広がる物語や、流れる時間を想像させる、そんな豊かなデザインが完成しました。