番組では、逗子にあった“旧石原邸”の貴重映像を公開。慎太郎さんが自ら設計した邸宅には、大階段や大理石の廊下、執筆の舞台となった寝室兼書斎、そしてアトリエまで、世界観が凝縮されている。11年前に収録された慎太郎さんと良純の親子対談も放送される中、良純が「親父に褒められた記憶がない」と幼少期に父に抱いていた複雑な想いを吐露する場面も。そして4兄弟がそれぞれ異なる分野で活躍する様子を見て、「ハラハラする」と言いながらも、「好きなようにやればいい、好きなようにやれる保障をいろんな形で整えるのが親の責任」と言い切る慎太郎さんに、4兄弟はそれぞれの胸中を明かす。
さらに、父の自由奔放な言動を兄弟が次々と証言。庭でキャッチボールをする息子たちを制止しテニスを始めたり、友人を巻き込んで窓拭きをさせたりと“自分中心”なエピソードが続出。伸晃は「父の原点は怒りだったのでは」と分析し、高嶋が「私も行動の原点は怒り」と共感を寄せる場面もあった。
番組は4兄弟の叔父で国民的スター・石原裕次郎さんの存在にも迫る。良純が俳優の道に進むきっかけとなった逸話や、伸晃と良純がそれぞれの視点で語る裕次郎さんの素顔を紹介。4兄弟が思い出の地・逗子をめぐる企画では、商店街を散策し懐かしい味に触れるほか、クルージングで「裕次郎灯台」を訪れ、宏高が叔父にまつわる“衝撃の事実”を語る。
また、母・典子さんの生涯もひも解かれる。若き日は「関東六浦三大美人」と呼ばれるほどの美貌を誇りながらも、家庭では夫と子どもたちに献身。慎太郎さんに合わせて3種類の朝食を用意し、政界進出後は政治活動を陰で支えた。趣味の俳句では20年間で1500句を詠み、その中には夫への想いが込められた作品も。晩年、体調を崩して施設で過ごす中、良純に「結婚してから機嫌が良かったことなんてない」と漏らした言葉や、慎太郎さんの死の35日後に後を追うように息を引き取った最期の姿も紹介される。
テレビ初公開となる貴重な家族映像と共に、激動の時代を駆け抜けた石原家の波乱万丈な物語から“家族とは何か”を問いかける番組となっている。