出版市場の縮小が続くなか、じわじわと存在感を高めている「絵本」。子ども向けの枠を越え、大人の読者層やSNS発のヒット作品も増加。
コロナ禍以降の“おうち時間”をきっかけに、親子でページをめくる体験そのものが見直されつつある。

 こうした読書を取り巻く変化のなか、入場無料で楽しめる国内最大級の絵本と児童書の祭典『上野の森 親子ブックフェスタ』が、5月4日・5日の2日間、東京・上野恩賜公園で開かれる。昨年は約3.4万人が来場し、約3.2万冊を販売。出版不況といわれる時代においても、児童書分野の底堅さを象徴するイベントのひとつだ。

 2000年の「子ども読書年」をきっかけにスタートした同イベントは、“子どもと読書”をテーマに規模を拡大。今年で24回目を迎え、単なる本の販売にとどまらない「体験としての読書」を提案する場として広がりを見せている。

 近年は活字離れや少子化が進む一方で、SNSをきっかけに話題となる絵本や、大人が自分のために手に取る作品も増加している。

 会場には80社以上の出版社が集まり、約4万冊が一堂に並ぶ。ブースでは編集者や販売担当者から直接話を聞きながら本を選べるほか、制作の裏話に触れられるのも魅力のひとつだ。

 さらに、作家によるサイン会やおはなし会、音楽と融合したステージイベントなど、読書体験を広げる企画も多数実施。絵本作家・林廉恩さんと歌手・一青窈さんによる読み聞かせや、「絵本×音楽×マジック」を組み合わせたパフォーマンスなど、子どもだけでなく大人も楽しめる内容となっている。

 また、約550冊の絵本を積んだキャラバンカーも登場し、車内見学や読み聞かせイベントを開催。
5月4日(月・祝)には、真珠まりこさんによる「もったいないばあさんのおはなし会」や、いりやまさとしさん、藤本ともひこさんによる「パンダ・バナーナ!」読み聞かせライブも行われる。作品と出会うだけでなく、“誰かと共有する読書体験”そのものが味わえる。

 会場に隣接する上野動物園では、5月4日・5日は子ども入園無料となるため、ゴールデンウイークの上野は、絵本や児童書とリアルな体験を行き来できる場として、にぎわいを見せそうだ。
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