本作は、がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生をかけて交わした20通の往復書簡(著:宮野真生子・磯野真穂)が原作。
映画では、パリ郊外の介護施設「自由の庭」の施設長であるマリー=ルー・フォンテーヌ(エフィラ)と、日本人の演出家・森崎真理(岡本)が、同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、交流が始まり、友情を超える絆を結ぶ物語。
エフィラは「みなさん、こんばんは。日本に来ることができてとてもうれしいです」と日本語であいさつ。「この映画作りを始めたときから大きな冒険のようだった」といい、「ジャパンプレミア上映に立ち会うことができて、夢が到達点に達した」と喜びを語った。
岡本は、「私たちが本当に思いを込めて撮影してきた作品。日本でプレミア上映できるということですごくうれしいです。この場に立ってる今日がすごく感慨深い」としみじみ話した。
最優秀女優賞の共同受賞にコメントを求められると、エフィラは日本語で「突き刺さった」と笑顔。岡本も「実感としてはまだまだ湧いておらず、きっとずっと湧かないままだろうなと思っている。でも、みなさんにたくさん祝辞をいただいて、オリンピックでメダルを取ったような気持ちです(笑)」とうれしさを表現した。「この2人のやりとりの中に生まれた何かを評価してくださったと思いますし、2人で受賞できたことに意味がある」と語った。
岡本が話しているときに、エフィラが岡本に密着する場面も。撮影が終了して「別れがつらいという気持ち」というエフィラ。「仲の良さがこの作品の2人の仲の良さに現れていると思います」と別れを惜しんだ。
最後には原作者の磯野氏が登場し、2人へ手紙を読み上げた。「「私と(もうひとりの原作者の)宮野さんがみたいと心から願っていたその光景をお二人が見せてくれたように思いました」と感謝の言葉を聞いた岡本は「私はこの原作を読んだ時からどうやったらこの魂を映画に落とし込めるんだろうと考えていたので、そう言ってもらえたのが全てだと思って、本当に頑張ってよかったと思います」と涙を見せる。
エフィラも涙をぬぐいながら「本当にうれしい言葉をいただいて感謝しています。生きていることに意味があるんだと思う時っていうのはなかなかないんですけど、磯野さんの言葉を聞いてそう思いました」と胸いっぱいな様子だった。
イベントには長塚京三、黒崎煌代、濱口竜介監督も登場した。
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