仕事がデキる人は、何が違うのか。営業コンサルタントの菊原智明さんは「職場の飲み会が減っているが、今こそ行ったほうがいい。
※本稿は、菊原智明『1年目からうまくいく!職場の人間関係のコツ』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。
■飲み会は“リアルな情報”が手に入る
会社には“仕事よりその後の打ち上げが好き”という人も一定の割合で存在しています。私自身がそのタイプで研修やセミナーをしている一番の楽しみは何と言っても終わった後の打ち上げです。私が打ち上げに参加する一番の理由は、人間関係構築と現場のリアルな情報が手に入るからです。もちろんお酒が好き、ということもありますが……。
研修やセミナーの場では表面的な質問はあっても、本当の悩みを打ち明ける人はいません。アルコールが入りフランクな関係になるからこそ、思わず本音がでるのです。これは私にとって非常に大切な情報源になります。さらにはそこで人間関係も深めています。“飲みにケーション”で多くの恩恵を受けています。
良好な人間関係をつくっている人は仕事以外の場でコミュニケーションを取っています。飲み会や打ち上げもその一つです。たとえ飲めなくても、ソフトドリンクで付き合ったりしているのです。
“仕事以外の場でコミュニケーションを取っている”と聞いて「プライベートの時間まで会社の人と時間を過ごすなんて冗談じゃない!」と思った人もいるでしょう。
私の大学の卒業生からも会社の飲み会について「残業手当が出れば考えてもいいが、そうじゃなければ参加する意味がわからない」という話をよく聞いています。会社以外の関係を持たない、という若い人たちが増えているのもよく知っています。
■ライバルのいない“今”がチャンス
私の知り合いの若い営業スタッフは、仕事が終われば机まわりを手早く片づけ、さっさと会社を後にします。誰とも仲良くしていません。こうしてだんだんとまわりの人たちと距離ができてしまっています。これがすべての原因ではありませんが、年々成績は落ちています。
プライベートの付き合いをする人が激減している今こそ“飲みにケーション”が人間関係をつくるチャンスだと考えてみてはいかがでしょうか? そこでしかリアルな情報が手に入らない人間関係の情報が手に入ります。この手の情報は人付き合いに役立つものです。
それでもまだ「気の合う仲間とは飲みに行っても、上司や他部署の人とはストレスでしかない」と思っているかもしれません。毎回とは言いません。2回に1回、いや3回に1回は参加するようにしてほしいのです。
会社の人たちも「新入社員を誘うとアルハラになる」と言って遠慮しています。誘うほうも難しくなっている時代です、時には自分から「おいしいお店に連れて行ってください」と声を掛けることも必要です。できる人は飲みにケーションで核となる人間関係の絆を強めています。
ある新人営業スタッフは飲み会で仲良くなった人からお客様を紹介してもらっています。仕事外で積極的に他人と付き合うことが少なくなりました。ライバルが少なくなった今こそ飲みにケーションはまさにブルーオーシャンなのです。
■ゴルフと飲み会は“人の本質”が出る
仕事以外でも社内の人とコミュニケーションをとる。
実は人の評価というのは仕事だけでなく、それ以外のことで評価されることも多いのです。仕事はできるのに出世しないという人は、仕事以外のことで評価を下げているかもしれません。
研修先でのことです。その会社の社長は、「ゴルフと飲み会でその人の本質が見える」という話をしています。その話を聞いて「その通りだな」と深く納得したのです。
私もゴルフをやりますが、ゴルフはその人の本音が色濃く出るスポーツです。経験上、仕事ができる人はゴルフのマナーも所作がいいものです。自分でプレイしながらもまわりの人のことを常に考えているので、一緒にラウンドしていて気持ちがいいのです。
■“飲むと変わる”のではなく、本性が出ただけ
一方、仕事ができない人はゴルフのマナーも良くありません。一緒にラウンドしている人を何とも言えない嫌な気分にさせます。知人の紹介で一緒にラウンドしたAさん。ゴルフ自体はそんなに下手ではなく、むしろ上級者のほうです。しかし明らかにOBになったはずのボールを「よかったセーフだ」と言い出します。
1回ならラッキーなこともあると思いますが、それが2回、3回となると話は変わってきます。本人はバレていないと思っていたかもしれませんが、一緒にプレイしている人は全員わかっていました。何とも言えない嫌な気持ちになったのです。Aさんはゴルフのスコアはよかったかもしれませんが、同伴者からの信頼を失ったのです。
これは飲み会でも言えます。よく“お酒を飲むと人が変わる”と言います。
仕事ができるのに出世しない人は、それこそ星の数ほどいます。特に営業などは、成績が数字でハッキリ出る世界です。ですが営業成績がいいからといって、成績順に出世するわけではないのです。
世の中には、仕事以外のことで評価を下げて損をしている人がたくさんいます。まずは“仕事以外のことで評価を下げることもある”ということを覚えておいてください。
■主賓は“立てる”のが鉄則
営業スタッフ時代のことです。ゴルフで失敗した後輩の例を紹介します。その日のコンペは、取締役のAさんが退職するということで、功績をねぎらう意味で開かれたサヨナラコンペでした。ゴルフが好きなAさんはゴルフが好きでうまい人です。小柄でドライバーの飛距離は出ませんが、寄せやパターなどの小技がうまく常にいいスコアを出すタイプです。
私は、たまたま同じ組でラウンドさせていただいたのですが、その日もやはり調子がいい感じです。その組は、Aさん、私と私の同期、そして大学時代にゴルフ部だった後輩B君でした。私も同期もゴルフが下手でAさんの足元にも及びません。
しかしB君は「久しぶりのゴルフです」と言っていたものの、さすが元ゴルフ部。Aさんと同じようなスコアでラウンドしていたのです。そして最終ホールで、B君はセカンドショットをベタピンにつけ、パットをねじ込みバーディー。その一打で上司のAさんを逆転し、こちらに向かって派手にガッツポーズをしたのです。
■“会の趣旨”を忘れてはならない
バーディーは嬉しいものですから思わず出てしまったのでしょう。その場では「ナイスバーディー!」とは言いましたが、この振る舞いでB君のことは一気に嫌いになりました。
この時B君はこの日の会の趣旨が頭から完全に抜けていたのでしょう。このコンペはあくまで退職していくAさんのために企画されたコンペなのです。わざと負けろとまでは言いませんが、少なくとも最後のパットでガッツポーズはいただけません。
結局、B君はベスグロ(一番いいスコア)で優勝しました。両手を上げ“俺に拍手喝さいをしてくれ”と言わんばかりの振る舞いです。挨拶もAさんのことを無視した、ほんとお寒い内容でした。
隣に座っていた同期が「オマエはいつだって優勝できるんだから、今日くらいは引っ込んでろ」と小声で私に言ってきます。同期もまたB君のことが大嫌いになったのです。もちろんその場にいた人からの評価を下げたのは言うまでもありません。ゴルフに限りませんが、空気が読めない振る舞いをしてはなりません。くれぐれも会の趣旨を忘れないようにしてください。
■飲み会は“喋りすぎない”ほうがいい
先ほどのB君のようにゴルフでの振る舞いで敵をつくってしまう人がいます。事実B君は人望もなく、皆から煙たがられる人でした。その後、成績不振で会社を去りましたが……。この話はゴルフをしない人には関係ないかもしれません。ただ飲み会ではどうでしょうか?
営業所内でのことです。ある時、一緒に働いていた仲間が退職することになりました。仕事がうまく行かなったことと体調面などから辞めることになったのです。
残念ではありますが、働いていればこういったことはよく起こります。そこで、お別れ飲み会を開催します。その会にはめったに参加しない新人C君も参加していました。C君はお酒が弱く、すぐに酔っぱらいます。飲み会がスタートして30分もしないうちに悪ノリをしだしたのです。当然まわりのことなど全く見えていません。一人で喋りまくったのです。
C君の話自体はけっこう面白い内容で笑いも取れてはいました。しかし参加した人たちは、心の中で「なんでオマエが主役になっているんだ」と冷ややかな目で見ていたのです。
もしかしたらC君は、退職する人のためにその場を盛り上げようと必死に頑張ったのかもしれません。だとしても完全に的外れの行動です。営業所単位だったので10人弱でしたが、その全員がC君のことを嫌いになったのです。
■良好な人間関係のコツは“脇役に徹すること”
こうした間違った頑張り? によって、評価を下げ、敵をつくってしまったのです。ランチの場でも一人で話しまくる人がいます。本人は気持ちがいいかもしれませんが、聞かされるほうはたまったものではありません。当然、次は誘われなくなります。
当の本人は反省するどころか「俺が頑張って盛り上げてやったのに、邪見にされるってどういうこと?」とぼやいているのです。これは自分のせいであって、誰のせいでもありません。その場の趣旨を客観的に捉えて理解しないと、目立てば目立つほど嫌われます。
良好な人間関係を築き、人から好かれる人はそんな愚行はしません。自分が主役になることなく、まわりの人を引き立てます。自分がわき役になる人が良好な人間関係を築き上げるのです。
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菊原 智明(きくはら・ともあき)
営業コンサルタント
営業サポート・コンサルティング代表取締役。関東学園大学経済学部講師。社団法人営業人材教育協会理事。1972年生まれ。群馬県高崎市出身。群馬大学工学部卒業後、トヨタホームに入社し、営業の世界へ。自分に合う営業方法が見つからず7年間、ダメ営業時代を過ごした後、手紙で情報を提供する営業に切り替えたことをきっかけに4年連続トップ営業に。2006年に独立し現職。主な著書に『訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書』(日本経済新聞出版社)、『売れる営業に変わる100の言葉』(ダイヤモンド社)、『面接ではウソをつけ』(星海社)、『トップ営業マンのルール』『「稼げる営業マン」と「ダメ営業マン」の習慣』『残業なしで成果をあげるトップ営業の鉄則』(明日香出版社)、『営業1年目の教科書』『営業の働き方大全』(大和書房)、『リモート営業で結果を出す人の48のルール』(河出書房新社)、『仕事ではウソをつけ』(光文社)、『使ったその日から売上げが右肩上がり!営業フレーズ言いかえ事典』(大和出版)などがる。
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(営業コンサルタント 菊原 智明)
仕事だけでは得られない信頼関係が築けるからだ。ただ、振る舞い方次第では評価を下げるため、注意してほしいポイントがある」という――。(第2回)
※本稿は、菊原智明『1年目からうまくいく!職場の人間関係のコツ』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。
■飲み会は“リアルな情報”が手に入る
会社には“仕事よりその後の打ち上げが好き”という人も一定の割合で存在しています。私自身がそのタイプで研修やセミナーをしている一番の楽しみは何と言っても終わった後の打ち上げです。私が打ち上げに参加する一番の理由は、人間関係構築と現場のリアルな情報が手に入るからです。もちろんお酒が好き、ということもありますが……。
研修やセミナーの場では表面的な質問はあっても、本当の悩みを打ち明ける人はいません。アルコールが入りフランクな関係になるからこそ、思わず本音がでるのです。これは私にとって非常に大切な情報源になります。さらにはそこで人間関係も深めています。“飲みにケーション”で多くの恩恵を受けています。
良好な人間関係をつくっている人は仕事以外の場でコミュニケーションを取っています。飲み会や打ち上げもその一つです。たとえ飲めなくても、ソフトドリンクで付き合ったりしているのです。
“仕事以外の場でコミュニケーションを取っている”と聞いて「プライベートの時間まで会社の人と時間を過ごすなんて冗談じゃない!」と思った人もいるでしょう。
私の大学の卒業生からも会社の飲み会について「残業手当が出れば考えてもいいが、そうじゃなければ参加する意味がわからない」という話をよく聞いています。会社以外の関係を持たない、という若い人たちが増えているのもよく知っています。
■ライバルのいない“今”がチャンス
私の知り合いの若い営業スタッフは、仕事が終われば机まわりを手早く片づけ、さっさと会社を後にします。誰とも仲良くしていません。こうしてだんだんとまわりの人たちと距離ができてしまっています。これがすべての原因ではありませんが、年々成績は落ちています。
プライベートの付き合いをする人が激減している今こそ“飲みにケーション”が人間関係をつくるチャンスだと考えてみてはいかがでしょうか? そこでしかリアルな情報が手に入らない人間関係の情報が手に入ります。この手の情報は人付き合いに役立つものです。
その上、その場で交流を深めた人とは仕事の依頼も気持ちよく受けてもらえるようになります。まさに一石二鳥なのです。
それでもまだ「気の合う仲間とは飲みに行っても、上司や他部署の人とはストレスでしかない」と思っているかもしれません。毎回とは言いません。2回に1回、いや3回に1回は参加するようにしてほしいのです。
会社の人たちも「新入社員を誘うとアルハラになる」と言って遠慮しています。誘うほうも難しくなっている時代です、時には自分から「おいしいお店に連れて行ってください」と声を掛けることも必要です。できる人は飲みにケーションで核となる人間関係の絆を強めています。
ある新人営業スタッフは飲み会で仲良くなった人からお客様を紹介してもらっています。仕事外で積極的に他人と付き合うことが少なくなりました。ライバルが少なくなった今こそ飲みにケーションはまさにブルーオーシャンなのです。
■ゴルフと飲み会は“人の本質”が出る
仕事以外でも社内の人とコミュニケーションをとる。
これは人間関係を構築するうえで非常に重要なことです。しかし、それで評価を下げる人もいます。オフの時間、休みの日の時間とお金を投資してまで自分の評価を下げる。これでは骨折り損のくたびれ儲けになってしまいます。
実は人の評価というのは仕事だけでなく、それ以外のことで評価されることも多いのです。仕事はできるのに出世しないという人は、仕事以外のことで評価を下げているかもしれません。
研修先でのことです。その会社の社長は、「ゴルフと飲み会でその人の本質が見える」という話をしています。その話を聞いて「その通りだな」と深く納得したのです。
私もゴルフをやりますが、ゴルフはその人の本音が色濃く出るスポーツです。経験上、仕事ができる人はゴルフのマナーも所作がいいものです。自分でプレイしながらもまわりの人のことを常に考えているので、一緒にラウンドしていて気持ちがいいのです。
もちろん、上手、下手はありますができる限りの気遣いをしてくれます。
■“飲むと変わる”のではなく、本性が出ただけ
一方、仕事ができない人はゴルフのマナーも良くありません。一緒にラウンドしている人を何とも言えない嫌な気分にさせます。知人の紹介で一緒にラウンドしたAさん。ゴルフ自体はそんなに下手ではなく、むしろ上級者のほうです。しかし明らかにOBになったはずのボールを「よかったセーフだ」と言い出します。
1回ならラッキーなこともあると思いますが、それが2回、3回となると話は変わってきます。本人はバレていないと思っていたかもしれませんが、一緒にプレイしている人は全員わかっていました。何とも言えない嫌な気持ちになったのです。Aさんはゴルフのスコアはよかったかもしれませんが、同伴者からの信頼を失ったのです。
これは飲み会でも言えます。よく“お酒を飲むと人が変わる”と言います。
こういった人たちは変わるのではなく本性が出ただけです。酔って威張る人は、もともと威張りたいという本性があり、酔って突然悪口を言いだす人はもともとそういった本性を持っている人だということです。
仕事ができるのに出世しない人は、それこそ星の数ほどいます。特に営業などは、成績が数字でハッキリ出る世界です。ですが営業成績がいいからといって、成績順に出世するわけではないのです。
世の中には、仕事以外のことで評価を下げて損をしている人がたくさんいます。まずは“仕事以外のことで評価を下げることもある”ということを覚えておいてください。
■主賓は“立てる”のが鉄則
営業スタッフ時代のことです。ゴルフで失敗した後輩の例を紹介します。その日のコンペは、取締役のAさんが退職するということで、功績をねぎらう意味で開かれたサヨナラコンペでした。ゴルフが好きなAさんはゴルフが好きでうまい人です。小柄でドライバーの飛距離は出ませんが、寄せやパターなどの小技がうまく常にいいスコアを出すタイプです。
私は、たまたま同じ組でラウンドさせていただいたのですが、その日もやはり調子がいい感じです。その組は、Aさん、私と私の同期、そして大学時代にゴルフ部だった後輩B君でした。私も同期もゴルフが下手でAさんの足元にも及びません。
しかしB君は「久しぶりのゴルフです」と言っていたものの、さすが元ゴルフ部。Aさんと同じようなスコアでラウンドしていたのです。そして最終ホールで、B君はセカンドショットをベタピンにつけ、パットをねじ込みバーディー。その一打で上司のAさんを逆転し、こちらに向かって派手にガッツポーズをしたのです。
■“会の趣旨”を忘れてはならない
バーディーは嬉しいものですから思わず出てしまったのでしょう。その場では「ナイスバーディー!」とは言いましたが、この振る舞いでB君のことは一気に嫌いになりました。
この時B君はこの日の会の趣旨が頭から完全に抜けていたのでしょう。このコンペはあくまで退職していくAさんのために企画されたコンペなのです。わざと負けろとまでは言いませんが、少なくとも最後のパットでガッツポーズはいただけません。
結局、B君はベスグロ(一番いいスコア)で優勝しました。両手を上げ“俺に拍手喝さいをしてくれ”と言わんばかりの振る舞いです。挨拶もAさんのことを無視した、ほんとお寒い内容でした。
隣に座っていた同期が「オマエはいつだって優勝できるんだから、今日くらいは引っ込んでろ」と小声で私に言ってきます。同期もまたB君のことが大嫌いになったのです。もちろんその場にいた人からの評価を下げたのは言うまでもありません。ゴルフに限りませんが、空気が読めない振る舞いをしてはなりません。くれぐれも会の趣旨を忘れないようにしてください。
■飲み会は“喋りすぎない”ほうがいい
先ほどのB君のようにゴルフでの振る舞いで敵をつくってしまう人がいます。事実B君は人望もなく、皆から煙たがられる人でした。その後、成績不振で会社を去りましたが……。この話はゴルフをしない人には関係ないかもしれません。ただ飲み会ではどうでしょうか?
営業所内でのことです。ある時、一緒に働いていた仲間が退職することになりました。仕事がうまく行かなったことと体調面などから辞めることになったのです。
残念ではありますが、働いていればこういったことはよく起こります。そこで、お別れ飲み会を開催します。その会にはめったに参加しない新人C君も参加していました。C君はお酒が弱く、すぐに酔っぱらいます。飲み会がスタートして30分もしないうちに悪ノリをしだしたのです。当然まわりのことなど全く見えていません。一人で喋りまくったのです。
C君の話自体はけっこう面白い内容で笑いも取れてはいました。しかし参加した人たちは、心の中で「なんでオマエが主役になっているんだ」と冷ややかな目で見ていたのです。
もしかしたらC君は、退職する人のためにその場を盛り上げようと必死に頑張ったのかもしれません。だとしても完全に的外れの行動です。営業所単位だったので10人弱でしたが、その全員がC君のことを嫌いになったのです。
■良好な人間関係のコツは“脇役に徹すること”
こうした間違った頑張り? によって、評価を下げ、敵をつくってしまったのです。ランチの場でも一人で話しまくる人がいます。本人は気持ちがいいかもしれませんが、聞かされるほうはたまったものではありません。当然、次は誘われなくなります。
当の本人は反省するどころか「俺が頑張って盛り上げてやったのに、邪見にされるってどういうこと?」とぼやいているのです。これは自分のせいであって、誰のせいでもありません。その場の趣旨を客観的に捉えて理解しないと、目立てば目立つほど嫌われます。
良好な人間関係を築き、人から好かれる人はそんな愚行はしません。自分が主役になることなく、まわりの人を引き立てます。自分がわき役になる人が良好な人間関係を築き上げるのです。
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菊原 智明(きくはら・ともあき)
営業コンサルタント
営業サポート・コンサルティング代表取締役。関東学園大学経済学部講師。社団法人営業人材教育協会理事。1972年生まれ。群馬県高崎市出身。群馬大学工学部卒業後、トヨタホームに入社し、営業の世界へ。自分に合う営業方法が見つからず7年間、ダメ営業時代を過ごした後、手紙で情報を提供する営業に切り替えたことをきっかけに4年連続トップ営業に。2006年に独立し現職。主な著書に『訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書』(日本経済新聞出版社)、『売れる営業に変わる100の言葉』(ダイヤモンド社)、『面接ではウソをつけ』(星海社)、『トップ営業マンのルール』『「稼げる営業マン」と「ダメ営業マン」の習慣』『残業なしで成果をあげるトップ営業の鉄則』(明日香出版社)、『営業1年目の教科書』『営業の働き方大全』(大和書房)、『リモート営業で結果を出す人の48のルール』(河出書房新社)、『仕事ではウソをつけ』(光文社)、『使ったその日から売上げが右肩上がり!営業フレーズ言いかえ事典』(大和出版)などがる。
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(営業コンサルタント 菊原 智明)
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