健康維持に最適な主食は何か。白米より玄米のほうが食物繊維などが豊富で栄養価が高いが、家庭で続けるには現実的ではないという。
※本稿は、帯津良一、幕内秀夫『なぜ粗食が体にいいのか』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■玄米の「健康効果以外」の一番の問題点
食生活改善のために提案したいのは、できれば未精製の米を食べていただきたいということです。つまり、なるべく丸ごと米を食べるということですね。
米にはさまざまな精米段階のものがあるわけです。参考のために言いますが、精米の度合いの低い順に並べると、「玄米」「三分づき米」「五分づき米」「七分づき米」「白米」となり、精米度が高いほど米の色が白くなります。
では、黒い順、つまり精米の度合いの低いものから順に、特徴を言います。
まず、玄米の特徴は、生活パターンをある程度変えなければいけないということです。炊く釜の問題もありますが、それより問題なのは、水に浸す時間が白米より長いということです。
白米なら前日の寝る直前にといで浸しておけばいいんですが、玄米をおいしく炊くには、寝る前では時間が短いんですね。玄米の場合、冬などは12時間ぐらいは浸さないとおいしくなりません。
それから玄米の場合、一番問題になるのは、家族でもめる可能性が極めて大きいということです。
けんかをしては、けっしていい食事にはなりません。でも、できればもう少し精米度の低い、糠のついたご飯にしていただきたいということです。
■五分づき米の勧め
私がいた帯津三敬病院では、入院患者さんで希望する人には玄米も出していました。でも、退院後は話が別です。
病院の場合はいいんです。食事をつくるのは病院ですし、食べるのは本人だけですから。ところが、家へ帰ったら、患者さん本人だけでなく家族も一緒に食事をするわけです。
患者さんと同じ玄米のご飯を家族全員で食べるか、患者さんの分だけ別に炊くかのいずれかになるわけです。家族全員が玄米を食べる場合、必ずと言っていいほど、最低一人は「玄米はまずいから嫌だ」と思う人がいます。
また、別に炊く場合、食事をつくる人の手間がそれだけ増えることになります。つまり、自分の家で患者さんが玄米を食べようとすると、家族に負担がかかることになるのです。
だから、玄米を食べることを一年間もめげずに続けられる人は、100人中5人ほどだと思います。悪いのではなくて、現実には非常にむずかしいのです。
そこで、私たちが一番に勧めるのは、五分づき米です。物は試しですから、2キロだけでも五分づきの米を食べてみてください。
■水加減も電気釜も白米と同じで食べられる
五分づき米のいい点は、これを食べると体が変わりますが、生活パターンを変えなくていいことです。水加減も電気釜も白米と同じで、変える必要がありません。
だから、五分づき米が一番続くんです。五分づき米を勧めると、100人中70人は問題なく続けられます。30人くらいは、「正直言うと、ちょっと食べにくい」と言います。
これは60歳過ぎの男性に多いですね。若い人には、五分づき米も白米も味の区別がつかない人もいるくらいです。
でも、これは毎日食べる米の問題ですから、五分づき米が無理だったら、七分づき米でも結構です。
ですから、家族の顔色を見ながら、できれば三分づき米か五分づき米、でも、けんかをするなら七分づき米、大げんかするぐらいなら白米でも十分、こう考えてください。たとえ白米でも、パンよりはよほどいいんですから。
食事の問題に熱心な人によくいるのは、白米は体によくないからと、毎日全粒粉の茶色いパンを食べている人なんです。
それで、添加物が入っているからと、バター、マーガリンの選び方で悩んでいるんです。これは話が逆だと思います。主食だけでなく、食べるもの全体を考えるなら、パンより白米のほうが、余程添加物などの少ない食事になります。
■脳卒中が少ない岩手県・多い秋田県の「白米の差」
できれば、米に雑穀を入れて炊いたほうがいいんです。
これについては、秋田県と岩手県では、岩手のほうが脳卒中が少なかったという有名な話があります。
秋田県は白米を大量に食べられる地域ですが、岩手県は山が多いですから、ご飯をおなかいっぱい食べられませんでした。そこで、やむを得ず、菜っ葉を入れたり、豆を入れたり、アワやヒエを入れて食べていたんです。
すると、どちらの県も同じような塩分のとり方をしているのに、脳卒中の割合は岩手のほうが少なかったんです。
これは、白米単食と雑穀を米に合わせて食べることの差を表しています。栄養学的な浅知恵で言えば、雑穀類は、米より鉄分とかカルシウムの量がきわめて多いんです。だから、主食充実という意味では、ご飯に雑穀を入れるといいですね。
ちなみに、私のうちではどういうご飯を食べているかというと、米びつには玄米が入っていて、家庭用の精米機でその日によって精米の度合いを決めています。
たとえば、ふだんは三分か五分、人が来たときは七分という具合です。
夏は七分が多いんですが、暑いと白米でも重いと感じるときがありますから、そうしているんです。暑いときには玄米なんてとても食べられません。玄米で失敗する人は、大体、夏に嫌になってしまうんです。冬は、結構喜ぶんですけれどね。
うちではさらに、黒米、紫米、赤米を普通の米にほんの少量入れます。紫米だとキロ3500円もしますから、入れるのは一握りです。
これに比べれば、まだ麦飯のほうがむずかしいんです。
とにかく、主食は土台ですから、ぜひおカネをかけてください。
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帯津 良一(おびつ・りょういち)
医師
1936年埼玉県生まれ。1961年東京大学医学部卒業。東京大学医学部第三外科医局長、都立駒込病院外科医長を経て、1982年に埼玉・川越に帯津三敬病院を開業。2004年に東京・池袋に統合医学の拠点、帯津三敬塾クリニックを開設。主にがん治療を専門とし、西洋医学と中国医学などの代替療法を用いて、患者一人ひとりに合った診療を実践している。体だけでなく、こころといのちも含めた人間まるごとをみるホリスティック医学を提唱。89歳になる現在もホリスティック医学の実践、講演や執筆など精力的に活動。著書に『89歳、現役医師が実践! ときめいて大往生』(幻冬舎)など多数。
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幕内 秀夫(まくうち・ひでお)
管理栄養士
1953年茨城県生まれ。東京農業大学栄養学科卒業。フーズ&ヘルス研究所主宰。「学校給食と子どもの健康を考える会」代表。長寿村の研究をきっかけに民間食養法の研究を始める。病気や健康に役立つ実践的な食養法の第一人者として、全国各地の社員食堂や学校給食の改善に奔走するかたわら、新聞・雑誌などでも活躍中。
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(医師 帯津 良一、管理栄養士 幕内 秀夫)
医師の帯津良一さん、管理栄養士の幕内秀夫さんが書いた『なぜ粗食が体にいいのか』より紹介しよう――。
※本稿は、帯津良一、幕内秀夫『なぜ粗食が体にいいのか』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■玄米の「健康効果以外」の一番の問題点
食生活改善のために提案したいのは、できれば未精製の米を食べていただきたいということです。つまり、なるべく丸ごと米を食べるということですね。
米にはさまざまな精米段階のものがあるわけです。参考のために言いますが、精米の度合いの低い順に並べると、「玄米」「三分づき米」「五分づき米」「七分づき米」「白米」となり、精米度が高いほど米の色が白くなります。
では、黒い順、つまり精米の度合いの低いものから順に、特徴を言います。
まず、玄米の特徴は、生活パターンをある程度変えなければいけないということです。炊く釜の問題もありますが、それより問題なのは、水に浸す時間が白米より長いということです。
白米なら前日の寝る直前にといで浸しておけばいいんですが、玄米をおいしく炊くには、寝る前では時間が短いんですね。玄米の場合、冬などは12時間ぐらいは浸さないとおいしくなりません。
それから玄米の場合、一番問題になるのは、家族でもめる可能性が極めて大きいということです。
もし、家族がもめるぐらいだったら、白米のままでいいんです。
けんかをしては、けっしていい食事にはなりません。でも、できればもう少し精米度の低い、糠のついたご飯にしていただきたいということです。
■五分づき米の勧め
私がいた帯津三敬病院では、入院患者さんで希望する人には玄米も出していました。でも、退院後は話が別です。
病院の場合はいいんです。食事をつくるのは病院ですし、食べるのは本人だけですから。ところが、家へ帰ったら、患者さん本人だけでなく家族も一緒に食事をするわけです。
患者さんと同じ玄米のご飯を家族全員で食べるか、患者さんの分だけ別に炊くかのいずれかになるわけです。家族全員が玄米を食べる場合、必ずと言っていいほど、最低一人は「玄米はまずいから嫌だ」と思う人がいます。
また、別に炊く場合、食事をつくる人の手間がそれだけ増えることになります。つまり、自分の家で患者さんが玄米を食べようとすると、家族に負担がかかることになるのです。
だから、玄米を食べることを一年間もめげずに続けられる人は、100人中5人ほどだと思います。悪いのではなくて、現実には非常にむずかしいのです。
そこで、私たちが一番に勧めるのは、五分づき米です。物は試しですから、2キロだけでも五分づきの米を食べてみてください。
■水加減も電気釜も白米と同じで食べられる
五分づき米のいい点は、これを食べると体が変わりますが、生活パターンを変えなくていいことです。水加減も電気釜も白米と同じで、変える必要がありません。
だから、五分づき米が一番続くんです。五分づき米を勧めると、100人中70人は問題なく続けられます。30人くらいは、「正直言うと、ちょっと食べにくい」と言います。
これは60歳過ぎの男性に多いですね。若い人には、五分づき米も白米も味の区別がつかない人もいるくらいです。
でも、これは毎日食べる米の問題ですから、五分づき米が無理だったら、七分づき米でも結構です。
七分づき米なら家族でもめる心配は滅多にありません。七分づき米は少し白すぎますが、続けられるのがいい点ですね。
ですから、家族の顔色を見ながら、できれば三分づき米か五分づき米、でも、けんかをするなら七分づき米、大げんかするぐらいなら白米でも十分、こう考えてください。たとえ白米でも、パンよりはよほどいいんですから。
食事の問題に熱心な人によくいるのは、白米は体によくないからと、毎日全粒粉の茶色いパンを食べている人なんです。
それで、添加物が入っているからと、バター、マーガリンの選び方で悩んでいるんです。これは話が逆だと思います。主食だけでなく、食べるもの全体を考えるなら、パンより白米のほうが、余程添加物などの少ない食事になります。
■脳卒中が少ない岩手県・多い秋田県の「白米の差」
できれば、米に雑穀を入れて炊いたほうがいいんです。
これについては、秋田県と岩手県では、岩手のほうが脳卒中が少なかったという有名な話があります。
秋田県は白米を大量に食べられる地域ですが、岩手県は山が多いですから、ご飯をおなかいっぱい食べられませんでした。そこで、やむを得ず、菜っ葉を入れたり、豆を入れたり、アワやヒエを入れて食べていたんです。
すると、どちらの県も同じような塩分のとり方をしているのに、脳卒中の割合は岩手のほうが少なかったんです。
これは、白米単食と雑穀を米に合わせて食べることの差を表しています。栄養学的な浅知恵で言えば、雑穀類は、米より鉄分とかカルシウムの量がきわめて多いんです。だから、主食充実という意味では、ご飯に雑穀を入れるといいですね。
ちなみに、私のうちではどういうご飯を食べているかというと、米びつには玄米が入っていて、家庭用の精米機でその日によって精米の度合いを決めています。
たとえば、ふだんは三分か五分、人が来たときは七分という具合です。
夏は七分が多いんですが、暑いと白米でも重いと感じるときがありますから、そうしているんです。暑いときには玄米なんてとても食べられません。玄米で失敗する人は、大体、夏に嫌になってしまうんです。冬は、結構喜ぶんですけれどね。
うちではさらに、黒米、紫米、赤米を普通の米にほんの少量入れます。紫米だとキロ3500円もしますから、入れるのは一握りです。
キビやアワなども入れています。アワやヒエなんて小さいから、入っていたってわからないんです。
これに比べれば、まだ麦飯のほうがむずかしいんです。
とにかく、主食は土台ですから、ぜひおカネをかけてください。
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帯津 良一(おびつ・りょういち)
医師
1936年埼玉県生まれ。1961年東京大学医学部卒業。東京大学医学部第三外科医局長、都立駒込病院外科医長を経て、1982年に埼玉・川越に帯津三敬病院を開業。2004年に東京・池袋に統合医学の拠点、帯津三敬塾クリニックを開設。主にがん治療を専門とし、西洋医学と中国医学などの代替療法を用いて、患者一人ひとりに合った診療を実践している。体だけでなく、こころといのちも含めた人間まるごとをみるホリスティック医学を提唱。89歳になる現在もホリスティック医学の実践、講演や執筆など精力的に活動。著書に『89歳、現役医師が実践! ときめいて大往生』(幻冬舎)など多数。
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幕内 秀夫(まくうち・ひでお)
管理栄養士
1953年茨城県生まれ。東京農業大学栄養学科卒業。フーズ&ヘルス研究所主宰。「学校給食と子どもの健康を考える会」代表。長寿村の研究をきっかけに民間食養法の研究を始める。病気や健康に役立つ実践的な食養法の第一人者として、全国各地の社員食堂や学校給食の改善に奔走するかたわら、新聞・雑誌などでも活躍中。
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(医師 帯津 良一、管理栄養士 幕内 秀夫)
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