脳科学者の中野信子先生が「怒りと上手に付き合う」ための親子トレーニングを教えます。
■衝動抑制の練習は百人一首で
 脳科学の実験では、衝動を抑える力を調べるために「Go/No-Go課題」というテストが使われます。
「○」が出たらボタンを押し、「×」が出たら押さない。合図を見分けて動きを止める課題によって、“止める力”を担う前頭前野の一部、「背外側前頭前皮質」の働きを測る実験です。
 この実験の応用で、怒りをコントロールするトレーニングとして、「百人一首」や「かるた」をおすすめします。取りたい札が目の前にあっても、違うとわかった瞬間に手を止める。この「お手つき禁止」の体験が、感情を抑えるブレーキの訓練になります。どうしてもお手つきをしてしまう子もいると思いますが、それで構いません。できたときは「ちゃんと待てたね」「今、止まれたね」と声をかけてください。抑制の成功体験を重ねることで、“止める力”が育ちます。
※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。

----------

中野 信子(なかの・のぶこ)

脳科学者、医学博士、認知科学者

東京都生まれ。脳科学者、医学博士。東日本国際大学特任教授、京都芸術大学客員教授、森美術館理事。
2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。著書に『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)、『サイコパス』(文藝春秋)、『毒親』(ポプラ社)、『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)、『エレガントな毒の吐き方』(日経BP)、『脳科学で解き明かすあの人の頭のなか』(プレジデント社)など。

----------

(脳科学者、医学博士、認知科学者 中野 信子 構成=大島七々三)
編集部おすすめ