ニチレイフーズは、冷凍食品のさらなる品質向上と新たな価値創造を追求している。開発担当の松田大資常務執行役員食品総合研究所長兼食品総合研究所商品開発部長は「当社最大の強みは『おいしさの再現力』。
データ分析でおいしさにつながる道筋を見つけ、プロの料理法などを生産工程で再現している。出来立ての味わいを理想に、『冷凍食品の電子レンジ調理が一番おいしい』という品質を作り上げたい」と語る。

 5月27日、「ifia JAPAN 2026」内の講演会に登壇。「冷凍食品の新たな価値を生み出すニチレイフーズの商品開発最前線」をテーマに取り組みを話した。

 同社の食品総合研究所(千葉市)には約180人が在籍。研究開発・商品開発・装置開発の3部門が相互に連携して商品開発を進めている。

 松田常務執行役員は「われわれの強みは『おいしさの再現力』。対象とする料理のおいしさを分析して“見える化”し、そのデータを目標値として再現性を高めている。さらに分析の過程で見えてきたおいしさのポイントをプロの調理工程と照らし合わせ、実際の生産ラインで再現することを目指している」と話す。

 代表例として「本格炒め炒飯」を紹介。米のパラパラ感は中華鍋の高温と煽りを再現した三段階炒め製法、焼豚のジューシーな旨みは高温短時間加熱、卵のふんわりした食感は気泡を含ませた新製法で実現した。

 「常に進化するためリニューアルを繰り返している。
現在は27年春に向けて研究所のスタッフが開発にまい進している」(松田常務執行役員)。

 冷凍食品の現状について、「以前に比べると品質向上を評価されることが増えた。とはいえ、まだまだ出来立ての料理とは品質面で差がある」との認識を示し、「『本格炒め炒飯』なら電子レンジ調理でもっとパラッと香ばしく仕上がるようにしたい。春巻きならお弁当に入れた5時間後でもカリカリした食感を感じられるのが理想」と展望した。

 一方、冷凍食品のマーケットがさらに成長するためのキーワードとして「パーソナルユース対応」「人手不足対応」「健康価値の提供」「AI・ロボティクスの活用」の4つを挙げた。

 パーソナルユースを開拓する一環で、22年春から麺類の市場に本格参入。「『冷やし中華』(22年発売)は約20年前から持っていたレンジ調理でも氷を生かせる知見を活用。『香ばし麺の五目あんかけ焼そば』(23年発売)は焼いた麺の香ばしさを実現するため新技術を採用」(松田常務執行役員)し、2品とも大ヒット商品となった。

 「素材そのままブロッコリー」(23年発売)は健康価値の提供に貢献。従来のボイルして水冷する方法では解凍時の離水により品質低下がみられたが、独自の新製法では過熱蒸気で加熱した後に空冷を採用。解凍時の離水が低減され、栄養価や呈味成分の保持に効果が認められた。

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