世界で広がるランニングブーム。
そうしたなか、中国ではマラソンのペースメーカーをめぐる問題が物議を醸している。
『Yicai』などによれば、問題が発覚したのは、10月25日に行われた成都マラソン。
ペースメーカーのうち2人がレース中に許可なくウェアやシューズを変更していたことが発覚したという。
大会組織委員会は、競技規則や事前に署名した誓約書の規定に違反したと認定。記録の取り消し、2年間の出場停止、ペースメーカー資格の剥奪という処分を下し、中国陸上競技協会にも報告した。
2人はスタート時には、大会パートナーである中国の大手スポーツブランド「李寧」の製品を身に着けていたが、レースの途中でウェアやシューズを他社ブランドのものに着替えていたという。
また、本来携行すべきペース表示も隠されており、公式ペースメーカーという立場を利用して、他のスポーツブランドの宣伝を行おうとしたのではないか、との疑惑が上がっていたとのこと。
その後、問題となったペースメーカーのひとりはSNS上で謝罪した。
「心からお詫びする。本当に申し訳ない。批判を真摯に受け止め、関係するブランドや応援してくれたランナーの皆さんに深く謝罪する。
本件に関する議論はこれ以上控えていただきたい。今後はSNSの更新を停止し、心を入れ替えて反省し、真摯にランニングに向き合っていく」
2025年の深センマラソンでは、ランナー13人が公式ペースメーカーになりすまし、コース上で商業的な宣伝活動を行う出来事があったそう。
その後、中国陸上競技協会はガイドラインを策定。ペースメーカーは大会運営スタッフの一員であると明確に位置づけられ、統一された服装や識別表示の着用、安定したペースメイク、選手へのサポートが義務付けられたものの、法的強制力はないという。
また、中国国内のマラソン大会におけるスポンサー勢力図が、3年間で劇的な変化を遂げているそう。中国国内でマラソンは依然として人気のスポーツながら縮小傾向にある。
中国陸上競技協会のデータによると、全国で開催されるマラソンおよび関連のロードレース大会は、過去最多となった2024年の696大会から、2025年には594大会へ減少、2026年には492大会まで減る見通し。
その背景には、リソースを主要大会や質の高い大会に集中させて、国内マラソン大会の「質向上」を図ろうとする意図があるという。
大会数の減少は、スポンサー枠の供給減を意味するため、主要大会は、スポンサーが是が非でも確保するべき「希少な入り口」となっているとも。李寧が成都マラソンのスポンサーを引き継いだのも、まさにそのためとのこと。
なお、李寧は昨年末から日本のマラソン記録保持者である大迫傑もスポンサードしている。
筆者:井上大輔(編集部)
画像提供:Getty Images

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