
この3月のインターナショナルマッチウィークで日本代表と対戦する予定となっている北朝鮮。サッカーにおいてもなかなか情報がない国であるが、意外にもヨーロッパでプレーした選手もそこそこ存在する。
今回はそんな「ヨーロッパのクラブでプレーした北朝鮮代表選手」を10名ピックアップした。
ホン・ヨンジョ
北朝鮮代表成績:51試合13ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:ベジャニヤ(セルビア)、ロストフ(ロシア)
北朝鮮代表からヨーロッパに進出する道を切り開いたといえる名FWホン・ヨンジョ。チョン・テセらが現れるまではエースとして活躍したスピードアタッカーである。
2007年に4.25体育団からセルビアリーグへと移籍し、さらにロシアリーグのFKロストフでもプレーした。
リ・ミョンジュン
北朝鮮代表成績:9試合5ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:ディナブルグ(ラトビア)、ダウガヴァ(ラトビア)、ヴェストシェラン(デンマーク)
18歳で北朝鮮を離れ、2009年にラトビアのディナブルグへと移籍した異色のストライカー。その後ダウガヴァを経てデンマークのFKヴェストシェランにも所属している。
さらにそれからタイの名門ムアントン・ユナイテッドに移籍し、ローン先のシンタルアFCで活躍した。北朝鮮代表では2013年の東アジア選手権予選で4ゴールを決めている。
チャ・ジョンヒョク

北朝鮮代表成績:45試合0ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:FCヴィル(スイス)
北朝鮮代表で45試合に出場した主力の右サイドバック。鴨緑江体育団でプレーしたあと、2010年のワールドカップを終えてからヨーロッパへとわたった。
スイス・チャレンジリーグを戦っていたFCヴィルで5シーズンに渡って主力としてプレーし、100試合以上に出場した。
キム・ククジン

ヨーロッパで所属したクラブ:コンコルディア・バーゼル、FCヴィル
現在北朝鮮代表でプレーしているキム・ククジンとは別人で、1989年生まれの選手。主に右サイドでプレーする機敏なウインガーで、2011年アジアカップではレギュラーを務めた。
2008年からスイスチャレンジリーグに移籍してコンコルディア・バーゼルとFCヴィルでプレーした記録がある。
パク・グァンリョン

北朝鮮代表成績:39試合14ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:FCヴィル、バーゼル、ベリンツォーナ、ファドゥーツ、ビール・ビエンヌ、ローザンヌ(スイス)、ザンクト・ペルテン(オーストリア)
スイスリーグで長くプレーした北朝鮮代表のストライカー。188cmの長身を生かしたパワフルなプレーが魅力の選手で、国際Aマッチでも39試合で14ゴールを決めている。
2011年にFCヴィルへと移籍したが外国人枠に漏れてプレーできず、その後バーゼルへと移籍。当時のトルステン・フィンク監督にその才能を高く評価されたという。
チョン・イルグァン

北朝鮮代表成績:78居合29ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:ルツェルン、FCヴィル(スイス)
今回の北朝鮮代表にも選出されているベテランアタッカー。前線であればどこでもこなせる応用力とスピード、そしてフリーキックでの得点力も備えている。
2017年に初めて海外への移籍を行い、スイスのルツェルンとFCヴィルでプレー。ヨーロッパではあまり出場機会がなかったものの、代表では常に主力としてキャプテンも担ってきた。
ハン・グァンソン

北朝鮮代表成績:12試合2ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:カリアリ、ペルージャ、ユヴェントス
10代からその才能を高く評価され、2017年にイタリアのカリアリへと移籍したハン・グァンソン。ペルージャへのローン移籍で活躍を見せ、2019年にはユヴェントスと契約して大きな話題を集めた。
しかしながらそれから間もなくカタールのアル・ドゥハイルへと売却され、2021年には国連制裁のためにプレーが不可能となった。その後は行方がわからなくなっていたが、今年突如ワールドカップ予選で選手として復帰した。
チェ・ソンヒョク

北朝鮮代表成績:3試合0ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:フィオレンティーナ、ペルージャ、オルビア、アレッツォ
イタリアで初めてプレーした北朝鮮人選手は、実はハン・グァンソンではなくこのチェ・ソンヒョクだ。2016年にフィオレンティーナと契約したが、国籍の問題もあって間もなく契約が解除された。
それからペルージャ、オルビア、そしてアレッツォでプレーしたが、それほど出場機会を得られず2020年1月に退団している。
ソ・ヒョヌク

北朝鮮代表成績:28試合2ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:ジェリニスキ・モスタル、GOSKガヴェラ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)、パルチザニ(アルバニア)
2014年から北朝鮮代表でプレーしている選手。2015年のアジアカップではサイドアタッカーとして鋭い仕掛けを見せた。
2017年にボスニア・ヘルツェゴヴィナへと移籍してプレーするも、ピッチ内では成功しながら英語が全く喋れなかったことからチームでうまく行かなかったという。その後セルビアとアルバニアで短期間所属した記録がある。
チョン・テセ

北朝鮮代表成績:33試合15ゴール
ヨーロッパで所属したクラブ:ボーフム、ケルン
最後はやはり日本から生まれた北朝鮮代表ストライカーのチョン・テセ。川崎フロンターレでデビューし、その圧倒的なフィジカルを活かして活躍。2010年のワールドカップに出場したあとでドイツへとわたった。
ボーフムでの2部リーグではシーズン10ゴールを決めるなど結果を残したが、その後はなかなかゴールを決められず。2013年に韓国の水原三星へと移籍している。