8大会連続でワールドカップ出場を決めた日本代表。
初めて出場した1998年大会で代表キャプテンを務めたのが、井原正巳氏だ。
引退後はアビスパ福岡や柏レイソルで監督を務めてきたが、57歳にして韓国に新天地を求めることが決まった。28日に自身の公式サイトでこう発表したのだ。
「この度、7月から、韓国のKリーグ、水原三星ブルーウィングスにコーチとして加わることになりました。自分にとって、初めての海外挑戦、新しいチャレンジですが、自分を必要として頂いた事に感謝し、チームの目標達成に貢献できるように最大限の力を注ぎたいと思います」
水原三星は韓国1部リーグ4度の優勝を誇り、アジア最強クラブを決めるアジアクラブチャンピオンシップ(現AFCチャンピオンズリーグ)を2度制したことがある名門。
ただ、近年は低迷しており、2023年シーズンに初の2部降格となると、昨季は2部で6位に終わった。
その水原三星に日本のレジェンドである井原氏が加わったことは韓国でも驚きをもって報じられている。『Daum』は「日本も韓国も驚いた」と伝えていた。
「2部2位につけている水原三星は、昇格への最後のピースとなるコーチ就任にこぎ着けた。『日本のホン・ミョンボ』こと、元柏レイソル監督の井原氏が7月に就任する予定だ。
水原はすでに井原氏を戦術・守備コーチに指名している。レジェンドであり、日本最高のキャリアを持つ井原氏が、Kリーグ1ではなくKリーグ2の水原に就任したというニュースは、韓国サッカー関係者だけでなく、日本サッカー関係者にも困惑を招いている。
井原氏の就任には、今シーズンから水原のスカウト陣に加わったペ・スンジンが大きな役割を果たしたと、クラブ関係者は一致して認めている。
日本での豊富な経験を持つペ・スンジンは、複数の候補を選考するために日本に向かい、その中から井原氏を指名し、本格的な交渉を開始した。
井原監督は柏監督退任後、しばらく休養を取る予定だったが、韓国という新天地、水原という名門チーム、そして水原が示した誠実さを評価して就任を受け入れたとされている。
45歳のビョン・ソンファン監督は、井原氏の就任についてこう語った。
『クラブにとっても、私にとっても良い機会になります。戦術面だけでなく、日本の試合への準備、トレーニングモデル、サッカーに対する姿勢など、総合的に大きな助けになるはずです。また、チームが降格寸前になるなど、数々の浮き沈みを経験した彼の経験も、大きな力になると思います。
学ぶことに恐れはありません。他の人の指導スタイルを学び、自分のものにしていくのが好きです。日本のホン・ミョンボのような人から学ぶことは素晴らしい機会です。
井原氏も韓国サッカーを学ぶことができるはずです。お互いの立場から学び、補完し合い、相乗効果を生み出すことができると思います』
毎試合の失点を攻撃力でカバーし、2位をキープしてきた水原三星にとって、井原氏の加入が昇格へ導く『転機』となるのか、注目される」
現在、韓国代表を率いるホン・ミョンボ監督は、かつてJリーグでもプレーした韓国のスーパースター。
2部2位につける水原三星は、リーグトップの得点力を誇るものの、失点がやや多いため、守備のテコ入れのために井原氏を招聘したようだ。
なお、ペ・スンジンは、横浜FC、ザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)、徳島ヴォルティスなどJリーグでのプレー経験がある人物。