脅迫状はA4判の便箋1枚に、黒のボールペンで手書きされており、消印は高松市内の郵便局だった。差出人は不明で、切手も貼られていなかったそうだ。香川県警は5年前に同県坂出市で発生し、未解決のままとなっていた電波塔倒壊事件との関連も含めて捜査を開始した。
一体、誰が何のために事件を起こしたのだろうか?最も有力な容疑者像として警察にマークされていたのは、脅迫状にもあるパナウェーブ研究所の関係者だったという。この団体は福井県を拠点とする新興宗教の一つで、白装束を身にまとい、集団で移動する姿が話題となり、当時世間を賑わせていた。彼らの思想は「共産ゲリラがスカラー電波を発しており、身を守るために白装束を着用している」というものだ。この倒壊未遂事件と同じ頃には、警視庁公安部による家宅捜索が行われ、虚偽の自動車登録の疑いで研究所代表が逮捕された。
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では、5年前に起きた事件との関連はどうだったのか。1998年2月20日に坂出市の四国電力讃岐坂出線14号鉄塔が突然倒壊した事件も、犯人は分かっていない。この事件は脅迫状などが無く、いきなり電波塔が何者かによって故意に倒壊された事件だ。
パナウェーブ研究所に関しては、「送電線から発生している電磁波が人体に有害な悪影響を与えている」という街宣活動やビラまき等の活動をしていたことが確認されていた。1995年にはオウムによる地下鉄サリン事件が起きた事もあり、警察はパナウェーブ研究所に対して徹底した監視を行ったという。