【帰ってきたアイドル親衛隊】普段着でサングラスを外し完全に一般人と同化した杉山清貴を出待ちで見逃すという大失態

1983年に杉山清貴＆オメガトライブとして、VAPから『SUMMER SUSPICION』でデビューした杉山清貴。私が杉山を知るキッカケとなったのは、日本テレビの深夜に頻繁にVAPのCMが放送されていて、その時に目に入ったことから。サングラスに爽やかな風貌で、軽快なリズムが印象的だった。デビュー曲の『SUMMER SUSPICION』から既に人気が高く、テレビやラジオのランキング番組に頻繁に出演し、スターダムへと乗っていった。 当時は毎週のように『ザ・ベストテン』(TBS系)の出待ちを行っていた私は、近いうちに杉山と出会える予感がしていた。ある日、杉山が出演する日にTBSの玄関前で出待ちをすることになった。まだ一度も会ったこともないので、杉山に会えることを心待ちにしていた。番組が終了すると、多くの出演者がTBSを後にして帰っていった。ほとんどの出演者が帰っているのに、なかなか杉山が出てこない。1時間近く待っていた時に、私の側で出待ちをしていた人に「みんな出ちゃったから帰りましょう」と声を掛けられたのだ。私は杉山を待っていると答えると、既に帰ったと言われてしまった。まさかの見逃しである。 どうやら杉山は普段着に着替えてサングラスを外していたみたいで、完全に一般人と同化していたという。しかもオメガトライブのメンバーも一緒に帰ったそうだ。素顔の杉山を見極められなかった私が悪いのだが、問題はそれだけでは無い。オメガトライブのメンバーの顔を覚えていなかったからだ。 すごい失態をしてしまい猛反省をして、それ以来はテレビ局に出入りするどんな人にも細心の注意を払って観察するようになった。この教訓を活かして数か月後には、念願の杉山と対面することができたのだが、まともに話しすらできなかった。その時に思ったことは「接触より鑑賞」。この言葉が頭の中に過ぎっていった。以降は杉山の近くに寄り付くことはなく、『ザ・トップテン』(日本テレビ系)などの公開番組を中心に生歌を楽しむようになり、杉山の歌声に癒されに行くようになっていた。『ザ・トップテン』は渋谷公会堂で生放送をしていたのだが、私は2階の最前列が好きな席だったので、自分が1階の良席を持っている時は、いつも2階最前列の人とトレードしてもらっていた。 そんな杉山清貴だが、85年にグループを解散して、86年からソロ活動を開始した。杉山がソロ活動をスタートした頃の私は、当時『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系)に素人ながらレギュラー出演していた時期でもあった。私が出演していたのが月曜日で、当時は月曜日の22時から『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)が生放送されていた。18時に『夕やけニャンニャン』の放送が終わると、私は必ずフジテレビの食堂で食事をするのが定番だった。ちょうどその頃に『夜のヒットスタジオ』の出演者がテレビ局に来る時間だったようで、食堂では普段あまり見かけることの無いアーティストやミュージシャンを見ることが多かった。そんな時に、たまたま杉山と食堂で遭遇することになった。何か話しをした訳では無いが、これまでの杉山との距離感がグッと近づいた気分になった瞬間である。実際は距離感は近づいてはいないですけどね。この対面が自分にとって最後になってしまったが、私にとってはかけがえの無い思い出のひとつでもある。 現在57歳になる杉山だが、これまでもずっとコンスタントに新曲も発売していて、不定期ながらコンサートなども開催しているみたいなので、いつか杉山のコンサートに出向いてみたいと思う。できるならオメガトライブも引き連れて、杉山清貴＆オメガトライブとしてのステージを観てみたいものだ。果たしてそんな私の願望を叶えてくれる時は来るのだろうか？(ブレーメン大島＝毎週土曜日に掲載)【ブレーメン大島】小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしての顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48の三田麻央。