「え? 本当? この時期に中国行くの?」「今じゃないとダメなの? コロナが落ち着いてからで良いんじゃない?」「私でも中国には帰るのは難しいよ!」と周りの人、そして中国の友人にも言われましたが、2020年新型コロナが世界で猛威を振っている中、私は一つの大きな決断をしました。それは、中国へ行って働くということでした。
世界を旅行や人と交流をするのが好きだった私は、様々な人と友達になりました。そして、日本だけでなく各国各地、様々な分野で頑張っている中国人や中華系の人々に会いました。そして彼らの優しさを身近に感じることがたくさんありました。そこから私は、もっと中国のことを知りたい!もっと中国の友達を知りたい!そして中国のことをもっと好きになりたい!と思うようになったことがきっかけでした。
2020年の春、内定をもらい、中国への渡航へ向けて準備をしていました。しかし、いつもとは違う状況のため、ビザ取得に時間がかかってしまい、やっぱり今、中国へ行くという決断は正しくなかったのではないかと悩むときもありました。しかし、それでも「大丈夫だよ、心配しないで」といつも支えてくれる中国の友人がいました。
その後、中国に着いてから色々なことが私の前に立ちふさがっていました。隔離生活や手続きでの問題など文化の違い、言葉の壁など本当に心身疲労しきっていました。そんなときに、中国の友人は私に、「大丈夫?元気?」などメッセージを送ってくれたり、時には電話をかけてくれたり、またデリバリーでタピオカやご飯を注文して届けてくれました。
また中国にいる間に色々な町を旅行したいと思っていましたが、残念ながら、旅行することができませんでした。しかし、これはきっとまた中国に行く機会を私に作ってくれたのだと思っています。そしてコロナという大変な時期であったからこそ、私は人の優しさや人と人とのつながりをより一層感じることができました。そしてこれらの経験は、私の人生を支えてくれるものであり、今後もつづいていくものになったと思います。そして旅行以上に大切なものになったと思います。このような経験ができた私は本当にラッキーだと思います。
また困ったときや知りたいときに、メッセージや朋友圈に投稿すると、いつも助けてくれる中国人が私の周りにはたくさんいました。
また私は今も中国語の勉強を続けています。どうしてと思われるかもしれませんが、それは、三つの理由があります。一つ目はもう一度中国に行って、以前は行けなかった町を旅行したいからです。そして、そこに住んでいる人たちと交流をしたいと思っています。もう一つは、中国に行ってから好きになった卓球が関係しています。
そして中国の各地にいる中国の友人に再会して、感謝の気持ち、今までのこと、そしてこれからのことをたくさん話し合いたいと思っています。「いつもありがとう。これからもよろしくね!」と伝えて、これからもずっとずっと交流を続けていきたいです。
■原題:いつもありがとう、これからもよろしくね!
■執筆者プロフィール:細井 駿吾 (ほそい しゅんご)日本語教師
愛知県出身。中山大学、広東外語外貿大学での勤務経験を経て、現在は、マレーシアの学校にて勤務。中国語の学習を継続し、SNSを通して中国の学生や友人との交流も行っている。
※本文は、第6回忘れられない中国滞在エピソード「『香香(シャンシャン)』と中国と私」(段躍中編、日本僑報社、2023年)より転載したものです。
