中国と欧州連合(EU)は6日、外交関係樹立50周年を迎えた。中国とEUは互いに最も重要な貿易パートナーで、双方の貿易額は当初の24億ドル(現レートで約3400億円)から300倍以上の7800億ドルに増加。
中国国営新華社通信によると、習近平国家主席は6日、EUのフォンデアライエン欧州委員長、コスタ大統領との間で外交関係樹立50年を記念して祝電を交換し、意思疎通の深化や相互信頼の増進を呼びかけた。関税をめぐり対立するトランプ米政権を念頭に「多国間主義を堅持し、一方的ないじめに反対すべきだ」とも訴えた。
EUとの関係について、中国網は「中国は新たな質の生産力の育成を急ぎ、グリーンで低炭素な発展の促進に取り組み、高水準の開放を持続的に拡大する」と報道。「在中国グローバル企業に広範な協力の新たなチャンスをもたらしている」と強調した。
30日内に3回訪中したドイツ自動車大手BMWのツィプセ会長は「中国はイノベーションと活力に満ちた市場」と称賛。中国を代表する世界的なテクノロジー企業のアリババや動画共有サービスTikTokなどを運営するバイトダンスなどの中国企業との協力の掘り下げに関しては「中国市場のイノベーションのペースは驚異的だ」と率直に語り、「中国の力強いイノベーションエコシステムにより、当社は先端テクノロジーを十分に統合できる」と期待を寄せた。
フランスの多国籍食品企業ダノングループのアントワーヌ・ド・サンタフリーク最高経営責任者(CEO)は、中国はイノベーションの重要地かつ人材が集まる場であり、世界トップレベルの人材を擁し、科学研究、AI(人工知能)、ビジネスなどの数多くの分野を網羅していると見ている。サンタフリークCEOは「当社は終始中国と共に成長し、栄養・ヘルスケア分野を深耕し、持続可能な形による事業成長の実現に取り組む」と意欲を示した。
独ファミリー企業およびテックグループのヘレウスは最も早く中国事業を展開した外資系企業の一つだ。ヘレウスの艾周平・大中華区総裁は「近年、技術と専門知識の交流に資源の相互補完を加えることで、EUと中国という二大エコノミーが利益を得られることを実感している。これはまた双方の協同イノベーションを促し、各自のグローバル市場における競争力を高めた」とした。
デンマークの機器メーカー・ダンフォスのキム・ファウジング社長兼CEOは「中国市場の発展に大きな将来性があると見ている」と言及。「当社の中国におけるデータセンター、船舶、エネルギー貯蔵などの関連事業は昨年、力強く成長した。今後は中国のより多くのパートナーと緊密に協力し、ウィンウィンを実現しながら中国の経済・社会発展の全面的なグリーン化に新たな貢献を成し遂げることに期待している」と述べた。(編集/日向)