中国の電動垂直離着陸機(eVTOL)開発企業の上海時的科技は、アラブ首長国連邦(UAE)の企業、オートクラフトと350機のeVTOL「E20」の購入契約を結びました。契約金額は10億ドル(約1480億円)に達し、中国eVTOL分野で過去最大の単一受注となります。

両社は今後、中東・北アフリカ地域での低空観光や都市間移動といった用途での商用展開を共同で進める計画です。初回納入は、中国民用航空局から耐空証明を取得した後に開始される予定です。

E20は最大5人乗りで航続距離200キロ、最高巡航速度は時速320キロです。垂直離着陸と高速巡航の両立により、都市内外での移動に適しています。UAEの都市では人口密度や交通渋滞が課題となっており、eVTOLは空の移動手段として期待されています。

時的科技は2024年の中国国際輸入博覧会でオートクラフトと戦略提携を締結しており、今回の大型契約はその成果の一つです。

時的科技の黄雍威最高経営責任者(CEO)は、「国際化」を創業時からの戦略に掲げており、UAEとの契約は「製品・基準・ブランドの輸出」の重要な一歩だと語ります。同社は今後、UAEを拠点に中東・北アフリカへの展開を加速させ、各国との規制連携や標準認証の相互承認を推進する考えです。

この契約は、中国eVTOL業界における国際進出の象徴であり、将来的には中国製eVTOLの国際標準化にもつながる可能性を秘めています。(提供/CRI)

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