2025年8月31日、中国メディアの観察者網は、香港でドローン1200機による戦勝80周年を記念したショーが行われたと報じた。

記事は、香港の湾仔(ワンチャイ)海浜公園上空で30日夜、抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年を記念した1200機のドローンによる大規模なショーが上演されたと紹介。ハイライトでは、80年前に新聞「大公報」が「日本投降矣!(日本、降伏せり!)」と戦勝を報じた紙面を再現するパフォーマンスも見られたと伝えた。

記事によると、ショーは13の場面で構成され、九一八事変(満州事変)や七七事変(盧溝橋事件)といった歴史的事件から、東江縦隊など香港市民が関わった抗戦の場面、そして「日本の降伏」の場面などがドローンによって描かれた。会場には市民や観光客数百人が集まり、抗戦をテーマにした絵が夜空に浮かび上がるたびに感嘆の声が上がるとともに、多くの人が写真や動画に収めていた。

北京からやって来た観光客が「祖国が強大になった今も歴史を忘れてはならず、来月の北京での軍事パレードとも呼応する有意義なものだ」と語ったほか、香港市民からも「民族の求心力と結束力を高め、次世代に歴史を記憶させる良い機会だ」という教育的な意味を持つショーだったという認識が示されたと記事は紹介している。

このショーは香港に本社を置く中国国有の文化企業、紫荆文化集団が「歴史を心に刻み、犠牲になった先人をしのび、平和を慈しみ、未来を切り開く」ことをテーマとして実施したものだという。

この件について、中国のネットユーザーからは「本当に素晴らしい」「『日本投降矣!』の『矣』の一文字に、十数年にわたる抗日戦争の全ての感情が込められており、中華文化の奥深さを感じる」「国慶節の連休が終わるまで毎日上演し、中国人が屈辱の歴史を忘れていないことを全世界に知らせるべきだ」「香港人って、時々こういった人情味を感じさせるよね」といった称賛や支持の声、「台湾でも、歴史の根源を正すためにやるべきだ」「神戸でやってやれ」など日本や台湾でのアピールを求める意見が見られた。

一方で観客が「数百人」しかいなかったことに対して、少なすぎではないかと疑問を呈する声や、政治色の強いイベントによって「香港の国際金融センターとしての地位に悪影響を与えなければいいが」といった懸念を示すユーザーもいた。(編集・翻訳/川尻)

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