台湾メディアの聯合新聞網はこのほど、「日本の職人精神は『売り文句』か?」と記し、台湾の若者向けSNS・Dcardに寄せられたネットユーザーの意見が反響を呼んだことを紹介した。
そのネットユーザーの意見とは、「日本の一部の料理人は『10年間は見て学ぶ』という伝統的な学習方式を堅持しているが、こういうやり方は効率の低下を招くだけだ」というもの。
記事によると、同ネットユーザーは「うなぎ業界に伝わる『串打ち3年、裂き8年、焼き一生』や、天ぷら職人の弟子が10年間、揚げる作業をさせてもらえないというのは、日本式の徒弟制度が硬直していて標準化されたプロセスが不足していることを反映している」とし、「食材処理や衣の付け方、火力調整に明確な標準作業手順書(SOP)と指導資料を用意すれば、より効率的に人材を育成できる」と主張した。
また、「日本人の間でもこうした『見るだけ』の徒弟文化に否定的な人が増えている」と言及。さらに「台湾人が牛肉麺を作るのに10年学ぶ必要があるとしたら、とっくに笑われてしまう。でも日本人が10年かけて天ぷら作りを学ぶと、それが突然『職人精神』になるのか?」とも問い掛けた。
この投稿はすぐさま熱い議論を呼び、「『職人』や『匠(たくみ)』というのはそもそも売り文句、広告にすぎない」「ブランド価値を付け加えるマーケティング手法」などの否定的な声が上がる一方、「日本人が重視しているのは『効率』ではなく『態度』」「職人は一種の精神であり、それは『さらに上を目指す』姿勢を示す」「SOPが育てるのは従業員。職人によって育てられるのは一流の料理人」「SOPだけを頼りにする人が突発的なトラブルに対応できると思う?」などの声も寄せられたという。(翻訳・編集/野谷)