中国A株市場で過去最大規模となる吸収合併が完了しました。中国船舶工業(中国船舶)は、中国船舶重工(中国重工)を株式交換方式で吸収合併し、正式に統合を果たしました。
中国船舶は9月11日夜、合併手続きの完了を発表しました。これにより新たに30億5300万株を発行し、9月16日に上場予定です。
一方、中国重工は9月5日付でA株市場から上場廃止となり、株主の保有株式は1株につき0.1339株の割合で中国船舶株へ転換されました。合併完了に伴い、中国重工は法人資格を失い、中国船舶が資産、負債、事業、人員、契約などすべてを引き継ぎます。
両社の源流は1999年にまでさかのぼります。当時、中国船舶工業総公司が分割され、「南船」と呼ばれた中国船舶と、「北船」と呼ばれた中国重工が誕生しました。2019年には両社を再統合する形で中国船舶集団が設立され、今回の吸収合併で統合が一層進むことになります。
今回の取引によって、中国船舶の総資産は4000億元(約8兆2800億円)を超え、世界最大規模で事業範囲も最も広い上場造船企業へと成長します。
また、両社は合併直前に2025年上半期の業績を発表しました。中国船舶は売上高が前年同期比11.96%増の403億2500万元(約8350億円)、純利益が108.59%増の29億4600万元(約610億円)となりました。中国重工も売上高が47.56%増の326億2100万元(約6760億円)、純利益が227.07%増の17億4500万元(約360億円)と高い成長を示しました。
9月11日の終値で中国船舶の株価は37.93元(約786円)となり、時価総額は1696億元(約3兆5130億円)となっています。
今回の吸収合併は、中国造船産業における競争力強化を象徴する出来事であり、今後の世界市場における存在感の拡大が注目されます。(提供/CRI)