2025年9月25日、中国のポータルサイト・網易に「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の蛇柱の鬼斬りシーンが漫画よりも映えると話題になっていることを紹介した記事が掲載された。

記事はまず、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来は日本公開以降、大きな熱狂を巻き起こしている。

配給会社・東宝はこのほど、同作の総興行収入が823億5948万810円を記録し、日本を含む全世界における日本映画歴代興行収入1位を達成したと発表した。日本国内における興行収入ランキングでは歴代2位にとどまっており、上位作品は同じく自作の劇場版『鬼滅の刃』無限列車編のみだ」と述べた。

続けて、「第一章 猗窩座再来の大ヒットによって、『鬼滅の刃』は再び注目の的となり、原作漫画の売り上げも大きく伸びた。先に漫画を読み始めた古参ファンであれ、アニメから見始めた新規ファンであれ『鬼滅の刃』がここまでの高みに到達できたのは、原作漫画の土台に加え、アニメ制作会社・ufotableの存在が大きいと誰もが認めざるを得ないだろう。むしろ後者の貢献こそ決定的であった可能性が高い」と言及した。

それから、「周知の通り、アニメ『鬼滅の刃』には漫画に存在しない数々の迫力ある、熱く、魅力的で心を揺さぶるシーンが盛り込まれていたり、漫画ではあまりに簡素なシーンが緻密に描かれていたりする。これは原作者・吾峠呼世晴氏が手を抜いたというわけではなく、ufotableの制作陣の誠実さと職人技を物語るものだ」とした。

その上で、「あるネットユーザーがアニメと漫画の同じシーンを並べて比較し、その差が非常に明確に分かるようにした。そのシーンは、鬼殺隊全員が無限城に落ちた後、蛇柱・伊黒小芭内(いぐろおばない)が鬼を斬り伏せる場面。漫画では第140話に該当し、伊黒の描写は一コマのみ、しかもあまりに簡素だったが、対してアニメでは動きがかっこよく演出され、多くの見せ場が追加されていた」と説明した。

記事は、この比較を見たファンは原作者が「鬼滅の刃」の物語を描いたことには感謝と尊敬を示しつつも「原作者はufotableに感謝すべきだ。原作より100倍良くなった」「原作者は幸運だ。

もし他の制作会社ならここまで成功しなかっただろう」「漫画は10点中7点、アニメは15点だ」との声を寄せたことを紹介した。

さらに、「こうした話題は今回が初めてではない。例えば、昨年放送されたアニメ『鬼滅の刃』柱合稽古編も同様の議論を呼んだ。例えば、アニメ第3話は漫画132話を原作としているが、竈門炭治郎(かまどたんじろう)の回復後、音柱・宇髄天元による『柱稽古』のシーンは漫画ではわずか6コマで完結していた。しかしアニメでは20分以上の長尺シーンとして描かれ、宇髄と炭治郎の会話や遊郭編の後日談、さらには一般の鬼殺隊メンバーの心情まで描かれた」と述べた。

そして、「これにより物語の流れは格段に分かりやすく、論理的かつ厚みのあるものとなり、視聴者により深い理解をもたらした。吾峠氏の物語は火種であり、ufotableはその火種を職人技で大きな炎に燃え上がらせたのだ。漫画はページ数や静止表現に制約があるため、急ぎ足な描写になりがちだ。しかしアニメではカメラワークで感情を拡大し、オリジナル要素で補完することで、古参ファンには原作の裏に潜む深意を伝え、新規ファンには障害なく世界観に没入させることができる」と論じた。

また、「アニメ化がしばしば『魔改造』とやゆされる業界にあって、ufotableの手法は模範とすべきものだ。良い改編とは決して『余計な演出』を追加するのではなく、原作への敬意に基づくものだ」とし、「吾峠氏が『鬼滅の刃』という世界を創造し、ufotableは多くの人々の実際にその世界に『足を踏み入れる』体験を実現したのだ」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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