第8回中国国際輸入博覧会が11月5日から10日まで上海市内で開かれ、日系企業が数多く参加しています。その中で、パナソニックは、「デザイン力」「AI力」「電子材料技術」の三つを軸に、中国市場での存在感を示しました。
パナソニックホールディングス株式会社の本間哲朗・代表取締役副社長(グループ中国・北東アジア総代表)は取材に対し、「競争の激しい中国市場で生き残るためには、差別化が不可欠」とし、18年前に上海でデザインセンターを設立し、中国のライフスタイルに合った製品開発を進めてきたことや、急速に発展する中国のAI技術を積極的に取り入れ、スマート家電や住宅設備などの分野で新たな価値を提案している取り組みを紹介しました。
また、積極的な現地化戦略の一環として、世界初の「四ドラム洗濯乾燥機」を発表したことについて、「日本にはない発想だが、中国の“分け洗い”という伝統的な洗濯習慣に基づいて開発した。AIやビッグデータも活用している」とし、「中国の消費者、特に若い世代は新技術や新商品を受け入れる意欲が非常に強い」と語りました。
パナソニックは中国の市場開拓を見据え、6年半前から家電事業や住宅設備事業の経営判断をすべて中国に移管し、現地の動向を迅速に製品へ反映できる体制を整えています。本間氏は「中国市場は日本の約5倍の規模を持ち、中国を視野から外すことは日本の製造業にとって非常に危険だ。チャイナコストがグローバルコストであり、チャイナスピードがグローバルスピード。中国で戦えない事業は、世界でも戦えない」と強調しました。
さらに、「中国は消費大国・製造大国であるだけでなく、イノベーション大国であり、エンジニア大国でもある。過去6年間で約20カ所の新しい事業基地を建設してきた」と振り返りました。
今後の展望については、中国の「第15次五カ年計画」を念頭に、データセンター市場や健康、シルバー経済、グリーン発展などの分野に注目しているといいます。「高いレベルの対外開放を維持する方針が示され、ビザ免除の延長も決まったことは安心につながる。政策の方向性と実行の一致を感じた。











