台湾メディアの自由時報は19日、レアアースカードを持ち出してきた中国に対し、日本が「反撃」に出る可能性があるとの記事を掲載した。
記事は、「高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言が中国政府の反発を招き、年明けにレアアースを含む軍民両用品の日本向け輸出の規制を発表した」とこれまでの経緯を振り返り、海外メディアの報道を引用して「中国が対象とする軍民両用品は1000項目以上で、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウムを含む少なくとも7種類の中・重レアアースが含まれている。
また、「中国側は、関連措置は特定の国を対象としたものではなく、国際的な不拡散義務を履行するための通常の法規管理であると主張しているが、米紙ワシントン・ポストは中国政府がすでにレアアースを地政学的な対外圧力として用いていると指摘しており、日本政府もG7に対し、レアアースが『武器化』されるリスクへの対応を共に行うことを呼び掛けた」とした。
その上で、「レアアースはハイテク産業および国防産業の生命線とされる。国際エネルギー機関(IEA)によると、中国は世界のレアアース採掘量の約70%を掌握し、加工では90%以上を独占。特に重レアアースでは決定的な影響力を有している」「中国が短期的にレアアース輸出を全面的に制限した場合、日本の一部産業は数千億円規模の損失を被る恐れがあり、規制が1年に及べば、経済損失は最大2兆6000億円、国内総生産(GDP)は0.43%下落する可能性がある」と説明した。
一方で、「日本も無策ではない。2010年に尖閣諸島をめぐる日中対立でレアアースが禁輸されてから、日本政府と企業はサプライチェーンの多角化を積極的に推進し、中国への依存度を90%超から(一時)約60%まで引き下げ、リサイクル技術や代替材料の研究開発を強化してきた」と紹介した。
また、「このレアアースをめぐる駆け引きは、中国自身にとっても無償のものではない」とも言及。「世界銀行は、中国では内需と不動産投資が低迷し、経済成長は輸出に大きく依存していると指摘している。こうした状況下で、レアアースを日本に圧力をかける手段として用いれば、日本が逆にフォトレジストや精密機器などの製品で対抗措置を取る可能性があり、中国の半導体産業や先端製造業にさらなる打撃を与えかねない」との見方を示した。
さらに、注目すべき点として、日本の探査船「ちきゅう」が南鳥島沖の水深6000メートルの深海でレアアース泥の試験採掘を試みていることにも触れ、「この海域には1600万トンを超えるレアアースが埋蔵されていると推定されており、将来的に商業化が実現すれば、中国への依存度を大幅に引き下げることになる」と指摘。関係者の分析として、「中国によるレアアース輸出規制は短期的には威嚇効果を持つものの、長期で見れば世界的な『脱中国化』を加速させる」と伝えた。











