台湾メディアの中国時報は8日、「卓栄泰の野球外交」とする記事を掲載した。
記事によると、台湾の卓栄泰行政院長は7日に日本を訪問して東京ドームで開催されているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の台湾とチェコとの試合を観戦した。
卓氏は観戦後すぐに台湾へ戻ったが、郭国文立法委員によると、今回の訪問実現の背後には日本の自民党の「重量級人物」と謝長廷前駐日代表がいて、台日間で、卓氏の「私的訪問」名義での実質的な政治交流を行うことで共通認識に達したことを意味する。
高市早苗首相の「台湾有事」をめぐる国会答弁を受け日中関係が冷え込んだタイミングで台湾の最高行政責任者が東京に姿を現した。これは、日本側から見れば、台湾有事をめぐる政策論述と意志に変化はないというメッセージを外部に発するものだ。一方、頼清徳政権にとっては、北京と正面から衝突するためではなく、むしろ反応をうかがうためのもので、日本に対しては、台湾が交流レベルを高める意思があることを、そして北京に対しては、台湾には一歩前進する能力はあるが強力な報復が必要になるほど事態を悪化させるものではないことをそれぞれ知らせるためのものだった。
卓氏の今回の訪問は極めて控えめなもので、WBC観戦後、いかなる合意にも署名せず、正式な会談も行わず、記者会見すら開かずにすぐに台湾へ戻った。その優れた点は、スポーツを口実に政治的な敏感度を下げたことにある。
現在の国際環境において、台湾には外交的駆け引きの余地が限られている。したがって、控えめながらも実質的な交流を通じて台日関係を促進することは現実的な選択と言える。卓氏の東京訪問は、こうした制約の中で、グレーゾーンを冷静さを失わずに歩んだ試みであり、画期的な出来事とまでは言えないまでも、頼政権を勇気づけるものであったことは間違いない。(翻訳・編集/柳川)











