中国で6Gは政府活動報告で明確に育成し発展させる未来産業として挙げられており、今年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)でも多くの代表・委員が議論する焦点となっている。では、6Gは人々の生活にどのような変化をもたらすのだろうか。

中央テレビニュースが伝えた。

6Gとは第6世代移動通信技術のことを指す。1Gの音声通信から2Gのショートメッセージ、3Gのモバイルインターネット、4Gのライブ配信やショート動画、そして5Gではスマート工場の効率的な稼働や自動運転車の実用化に至るまで、通信技術はすでにスマートフォンの枠を超えてさまざまな分野に浸透し、「あらゆるモノがつながる」時代の幕を開けつつある。しかし、ホログラフィック通信やデジタルツイン、スマート製造といった新たなシーンに直面する中で、現在の5G移動通信は接続密度、測位精度、ピーク通信速度などの面で限界があり、次世代移動通信技術、すなわち6Gの発展が急がれている。

5Gを幅広い情報高速道路に例えるなら、6Gは空・宇宙・地上・海が一体となったスーパーインテリジェントネットワークのような存在だ。単に高速鉄道から航空機へとスピードが上がるような進化ではなく、全面的な変革であり、三つの「超能力」を備えている。

一つ目は、6Gはより速く通信できることだ。

移動通信は電磁波によって情報を伝送する。帯域幅が広いほど通信速度が速くなる。6Gではミリ波、さらにはテラヘルツ波などのより高い周波数帯を利用するため、帯域幅は5Gの10倍以上に達する可能性がある。

北京大学などの研究チームが最近提案した「光ファイバー・無線融合通信」は、光ファイバーとテラヘルツ無線通信をシームレスに接続できる技術で、実験では単一チャネルの伝送速度が数百Gbps(ギガビット毎秒)に達した。これは4K超高精細映画を1秒未満でダウンロードできることを意味し、世界最先端レベルに達している。

6Gの「速度革命」に向けた「高速通路」を構築する成果となった。

二つ目は、6Gはより鮮明に「見える」ことだ。

6Gの基地局と信号は通信だけでなく、レーダー探知やイメージング機能も備える。6Gで使用されるテラヘルツ波は周波数が高く波長が短いため、より精密な物差しのような役割を果たし、方向の判定だけでなく正確な距離測定も可能になる。

目標物から反射される信号を分析することで、6Gネットワークはサブメートル級、さらにはセンチメートル級の高精度感知を実現する可能性がある。これによりドローンや自動運転車はより敏感な「デジタル感覚」を持ち、道路状況をより正確に把握し、柔軟に障害物を回避できるようになる。

三つ目は、6Gはよりスマートになることだ。

従来のネットワークはデータの送受信だけを担当し、処理は遠くのクラウドコンピューティングセンターに送信して行う必要があった。それに対し、6Gでは、信号基地局そのものがローカルAI計算能力を備え、独立して「思考」し、タイムリーにパーソナライズされた温かみのあるスマートサービスを提供できる。同時に各産業の「デジタル・スマート化」を推進し、故障の自己診断、自己修復、最適化も可能になる。これは政府活動報告で打ち出された「AI+」行動の深化・拡大とも呼応し、「スマート経済の新たな形態」の構築に向けた基盤を固めるものだ。

現在、中国は6Gの第1段階の技術試験をすべて完了し、300項目以上の重要技術の蓄積を形成している。

計画によると、中国は今後、6Gの標準策定や試験ネットワークの構築などを重点的に進め、6Gを近い将来、人々の生活へと確実に導入する方針だ。その時、人々の1日は次のようになるかもしれない。朝デバイスを装着すると、ホログラム会議室で遠く離れた同僚と「対面」で会議を行う。昼にはドローンが指定された時間・場所に温かいデリバリーを正確に届けてくる。夜には自分の「デジタル分身」を使い、仮想世界で思う存分探索する。未来はすでに始まっている。6G技術はあらゆるモノがスマートにつながる世界への扉を開きつつある。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

編集部おすすめ